江戸東京博物館リニューアル記念・NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」
会期:2026年9月15日[火]〜11月8日[日]
開館時間:9:30〜17:30 土曜日は19:30まで、11月6日(金)は20:00まで開館
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし9/21、10/12、11/2は開館)、9/24日[木]、10/13[火]、
11/4[水]
会場:東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
展覧会公式サイト:https://toyotomi2026.jp
兄・秀吉と弟・秀長。豊臣兄弟の軌跡を、130点の名品でたどる
兄・豊臣秀吉と、弟・豊臣秀長。戦国の世を駆け抜け、天下統一へと向かった二人は、どのような関係を築き、どのように時代を動かしていったのだろうか。
「豊臣兄弟!」展では、2人の肖像や書状、合戦図、城郭に関わる資料、茶道具、刀剣など、前期・後期を合わせて約130点の貴重な資料を通して、秀吉と秀長の足跡をたどる。名古屋・徳川美術館、大阪歴史博物館を巡回してきた本展の東京会場では、東京会場ならではの展示も加わり、2人の人物像と、彼らが生きた桃山時代の文化を多角的に紹介する。

《豊臣秀吉像》 桃山~江戸時代 17世紀 京都・禅林寺蔵 前期展示:9/15(火)~10/12(日)
展覧会のプロローグ「武と智の兄弟」を飾るのは、兄弟それぞれの肖像。京都・禅林寺に伝わる《豊臣秀吉像》《豊臣秀長像》を並べて見ると、同じ兄弟でありながら、その装束の違いが目を引く。白い直衣(のうし)姿で描かれた秀吉は、従来の形式にとらわれない独自の権威を示すかのよう。一方の秀長は、格式ある束帯(そくたい)姿だ。背景の金地や桐の意匠にも共通点があり、二人の肖像が深く関連していることをうかがわせる。
さらに秀長の肖像には、時代によって異なる表情を見せるものもある。春岳院に伝わる《豊臣秀長像》は秀長の二百回忌に制作されたもので、禅林寺の肖像とは対照的な、穏やかな表情が印象的。ひとりの人物が後世にどのように記憶され、描かれてきたのか――肖像画を見比べることで、歴史上の人物を「人」として感じることができる。

《豊臣秀長像》 桃山~江戸時代 17世紀 京都・禅林寺蔵 前期展示:9/15(火)~10/12(日)
第1章「転戦の日々」では、織田信長に仕えた秀吉・秀長兄弟が各地を転戦した時代を紹介していく。なかでも注目したいのが《賤ヶ岳合戦図屏風》。柴田勝家勢と秀吉勢が激突する合戦の様子が描かれ、秀長が陣を置いた田上山砦(たなかみやまとりで)や、秀吉の馬印である瓢箪も確認できる。細部を追いながら見ると、屏風の中に兄弟の姿や戦いの舞台が浮かび上がってくることだろう。
刀剣好きの方には、《平三角大身槍 銘兼上》も見逃せない。今回の展示では照明にも工夫が凝らされ、刀身に浮かぶ波紋をじっくりと見ることができる。ぜひケースの角度を変えながら、その美しさを味わってみてほしい。

《羽柴秀吉書状 美濃守宛》 天正12年(1584)6月18日 長野・田中本家博物館蔵 通期展示
天下人への道を歩み始めた秀吉に焦点を当てる第2章「天下一統」では、兄弟の間で交わされた書状も登場する。秀吉が秀長に宛てた《羽柴秀吉書状 美濃守宛》からは、天下人としての公的な姿とはまた違う、兄弟ならではの冗談の混じる距離感を感じ取ることができる。
そして東京会場限定の見どころが、《御所参内・聚楽第行幸図屏風》だ。秀吉が天皇を聚楽第(じゅらくだい)に迎えた一大行事を描いたこの屏風には、巨大な聚楽第や、秀吉が乗る牛車や天皇が乗る鳳輦(ほうれん)が描かれている。権力者そのものを直接描くのではなく、乗り物や建築物を通してその存在を示す表現にも注目。華やかな画面の奥から、秀吉がいかにして「天下人」としての権威を形づくっていったのかが見えてくる。

《御所参内・聚楽第行幸図屏風》右隻 江戸時代 17世紀 小林英好氏蔵(上越市立歴史博物館寄託) 通期展示

《御所参内・聚楽第行幸図屏風》左隻 江戸時代 17世紀 小林英好氏蔵(上越市立歴史博物館寄託) 通期展示
第3章「大和入国」では、秀長が大和を治めた時代に焦点を当て、家臣団や城郭にまつわる資料を紹介する。特に興味深いのが、大坂城と郡山城の瓦。一見すると見過ごしてしまいそうな渦巻きや丸い文様を見比べると、両者には技術や工房のつながりがうかがえる。華やかな肖像や合戦図だけでなく、「瓦」という身近な建築部材からも、兄弟の関係や当時の社会が見えてくる。
また東京会場では、古文書に釈文だけでなく口語訳も添えている。難しい文字を追うことにとらわれず、そこに書かれた言葉や人々の思いに触れられるよう工夫がされている。

《大坂城跡出土瓦》 16世紀 大阪市教育委員会蔵 通期展示

《郡山城跡出土瓦》 16世紀 奈良・大和郡山市蔵 通期展示
第4章「時の権力と美」では、茶の湯をはじめとする桃山文化に注目する。権力者たちは政治だけでなく、文化を庇護することによって自らの権威を示した。徳川美術館所蔵の「松花」(しょうか)や、秀長が実際に茶会で使用した記録が残る「肩衝茶入 銘・薬師院(かたつきちゃいれ めい・やくしいん)」は、とりわけ貴重な資料だ。なかでも「薬師院」は、秀長の所用品であることが確実にわかる数少ない品。茶器を手がかりに、秀長のもう一つの顔に迫ることができる。

《肩衝茶入 銘 薬師院》 豊臣秀長ほか所用 中国・南宋〜元時代 13〜14世紀 兵庫・香雪美術館蔵 通期展示
第5章「豊臣の落日」以降では、秀長の死と豊臣家の没落、その後の歴史へと物語が移っていく。大坂城の焼失を経ても、再び研ぎ直され、現在まで伝えられてきた刀剣《脇差 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎》(なまずおとうしろう)も展示される。刀剣ファンにはほかにも、後期展示の《刀 無名 一文字 名物 南泉一文字》(なんせんいちもんじ)をはじめ、注目の作品が待っている。

重要文化財《刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字》 豊臣秀吉・豊臣秀頼・徳川家康ほか所持 鎌倉時代 13世紀
愛知・徳川美術館蔵 後期展示:10/14(水)~11/8(日)
そして最後には、再び秀吉と秀長が登場する。エピローグ「兄弟!再び」に並ぶ2人の木造は、展覧会の冒頭で見た肖像とはまた異なる存在感を放っている。現存する秀吉像の中でも最大級とされる木造と、寛永7年(1630)に制作された秀長像。2人を最後に見つめ直すことで、ここまでたどってきた兄弟の人生が一つの物語として結び直される。

《桑山重晴像》 桃山〜江戸時代 16〜17世紀 大阪・理智院蔵 後期展示:10/14(水)~11/8(日)
「豊臣兄弟!」展が描くのは、単なる天下統一の物語ではない。戦場でともに歩んだ兄弟、政治を支えた弟、権威を築いた兄、そして茶の湯や建築、工芸を育んだ人々。肖像、古文書、屏風、刀剣、茶道具、瓦……一見すると異なる資料の一つひとつが、秀吉と秀長が生きた時代を立体的に浮かび上がらせる。
さらに本展を楽しんだ後は、常設展示にもぜひ足を運んでみてほしい。5階・6階の展示と合わせれば、戦国時代から江戸、そして近現代まで、長い日本の歴史を一つの館でたどることができる。
兄弟の肖像から始まり、兄弟の姿で終わる「豊臣兄弟!」展。華やかな桃山文化の魅力と、歴史の転換点を生きた2人の軌跡を、ぜひ会場でじっくりとご覧いただきたい。
観覧料(税込)
一般 2,100円(1,680円)、65歳以上 1,600円(1,280円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,040円)、高校生 無料、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※次の場合は特別展観覧料が無料です。
未就学児童。小・中・高校生。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
<チケット販売場所>江戸東京博物館、江戸東京博物館オンラインWebket、ARTPASS、各種プレイガイド
《シルバーデーに関するお知らせ》
(1)特別展「豊臣兄弟!」では会場混雑によるお客様と資料の安全確保のため、シルバーデー(毎月第3水曜日)当日の特別展の無料入場を実施いたしません。
*常設展はシルバーデーの入場無料(65歳以上の方対象)を実施いたします。ご注意ください。
(2)特別展「豊臣兄弟!」では65歳以上の方を対象に、「平日限定 シニア無料観覧券」を抽選で3,000名様にお送りいたします。




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