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相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史

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会期:2025年3月29日[土]~5月25日[日]
   前期:3月29日[火]~4月27日[日]、後期:4月29日[火・祝]~5月25日[日]
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日、5月7日[水]
    ※ただし5月5日[月・祝]は開館

会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4
展覧会公式サイト https://shokokuji.exhn.jp




如拙、周文、雪舟、探幽、若冲、応挙……640余年の歴史の中に、

日本の美の本流を育ててきた相国寺の役割を見る


 相国寺は、室町幕府三代将軍・足利義満(1358〜1408)が永徳2年(1382)に発願(ほつがん)し、京五山禅林の最大門派であった夢窓派の祖・夢窓疎石(むそう そせき、1275〜1351)を勧請(かんじょう)開山に迎え、高弟の春屋妙葩(しゅんおく みょうは、1311〜1388)を実質上の開山とし創建された禅宗の古刹。

 京都御所の北側に位置し、金閣寺、銀閣寺の通称で名高い鹿苑寺(ろくおんじ)、慈照寺(じしょうじ)を擁する臨済宗相国寺派の大本山である。


《夢窓疎石像》 夢窓疎石賛 南北朝時代 14世紀 相国寺蔵

前期展示/3月29日[土]~4月27日[日]展示


 創建から640年以上の歴史を持ち、数々の芸術家を育ててきた。代表的な画家には、如拙、周文、雪舟、狩野探幽、伊藤若冲、円山応挙などが挙げられる。

 本展は、相国寺が所有する美術品を公開している承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)開館40周年を機に開催するもの。国宝・重要文化財40件以上を含む相国寺派の名品を中心に紹介し、相国寺の美の世界をみつめ、未来へ託してゆく。


重要文化財《永楽帝勅書》 永楽帝筆 中国・明時代 永楽5年(1407) 相国寺蔵

後期展示/4月29日[火・祝]~5月25日[日]


 会場は、5つの章で構成。第1章は「創建相国寺ー将軍 義満の祈願」。

 「吾れ、新たに小寺を健てんと欲す」。足利義満が発したその一言から、相国寺の歴史は始まる。

 寺は夢窓派の高僧たちの進言により小さな寺ではなく大伽藍の禅寺であることが望まれ、御所の北側、室町幕府の傍らに開かれた。明徳3年(1392)、発願から10年を経て伽藍が完成し落慶供養が行われた。

 会場では、勧請開山となった夢窓疎石の頂相(ちんぞう、肖像画)の《夢窓疎石像》や、室町時代の日明関係に相国寺が深く関係していたことを示唆する《永楽帝勅書》(重要文化財)、相国寺6世・絶海中津(ぜっかい ちゅうしん、1334〜1405)が持ち帰ったと伝えられ、探幽や若冲も手本とした《鳴鶴図》(重要文化財)など、重要な作品が並ぶ。


重要文化財《寒山行旅山水図》 伝張遠筆 絶海中津賛 絵:中国・元時代14世紀 賛:室町時代14-15世紀 相国寺蔵

前期展示/3月29日[土]~4月27日[日]展示


 第2章は「中世相国寺文化圏 雪舟がみた風景」。

 15世紀の相国寺には、相国寺文化圏と称し得る美の営みがあった。室町幕府の御用絵師であったとされる相国寺の画僧・如拙と周文は室町水墨画の様式を確立し、また、彼らを師と仰いだと語る雪舟(1420〜1506)は、若き日を相国寺で過ごしたとされる。のちに室町水墨画の巨匠と称される雪舟がみた中世相国寺文化圏の風景を展望する。

 中国もしくは朝鮮から伝わった伝張遠筆《寒山行旅山水図》(重要文化財)には、絶海中津が詩を寄せている。雪晴れの日に旅人たちが行く景色に、絶海は同時代の栄仁(よしひと)親王の人生を重ねた。美しい山水の名画。


高橋由一《花魁》 大吉原展 Web美庵

《観音猿猴図》 狩野探幽筆、狩野尚信筆、狩野安信筆 江戸時代 正保2年(1645) 相国寺蔵

前期展示/3月29日[土]~4月27日[日]展示


 戦国の世に荒廃した相国寺を復興したのは92世住持・西笑承兌(せいしょう じょうたい、1548〜1607)。天下人秀吉、家康のブレーンとなり外交僧としても活躍、相国寺中興の祖となった。

 これに続く1600年代。復興期の相国寺に登場するのが鳳林承章(ほうりん じょうしょう、1593〜1668) 。西笑承兌の法嗣(はっす)で鹿苑寺の住持を務めた。75歳で亡くなるまでの34年間を綴った日記『隔蓂記』(かくめいき)は鹿苑寺に伝来し 鳳林承章をめぐる風雅の時と場を伝える貴重な史料となっている。

 第3章「『隔蓂記』の時代 復興の世の文化」では、西笑承兌に関わる作品を展示、『隔蓂記』の世界を再現している。

 《観音猿猴図》は、後水尾天皇が寄進したという記録がのこる、当時もっとも勢いのあった狩野三兄弟(探幽、尚信、安信)による合作。

 鳳林自身が探幽に画絹を持参し制作を依頼したと『隔蓂記』に記される《花鳥図衝立》は、ぜひ実見してほしい傑作。


《竹虎図》(部分) 伊藤若冲筆 梅荘顕常賛 江戸時代 18世紀 鹿苑寺蔵



 中世の相国寺文化圏を代表するビッグネームが「雪舟」とすれば、近世の相国寺の文化に賑わいを添えてくれたのは「若冲」と言える。独特の絵画表現を完成させ、「私の絵は理解されるまでに千年のときを待つ」と言った若冲だが、若冲が生きた1700年代は驚くほどにアヴァンギャルドな時代だった。

 第4章「新奇歓迎! 古典礼賛! 若冲が生きた時代」では、人の交流を通し、ものの往来を通して、多層的に構築される相国寺文化の新時代を再現してゆく。

 展示室では、50面におよぶ鹿苑寺大書院の障壁画の中から、一之間に伊藤若冲によって描かれた重要文化財《葡萄小禽図》と裏面の《松鶴図》が同時鑑賞できる好機!

 また、正法寺蔵《猛虎図》に依拠した若冲の《竹虎図》は、梅荘顕常(ばいそう けんじょう、1719-1801)の賛一幅が対となって、原本にはない一陣の風を巻き起こした逸品。


国宝《玳玻盞散花文天目茶碗》 吉州窯 中国・南宋時代 12-13世紀 相国寺蔵

前期展示/3月29日[土]~4月27日[日]展示


 相国寺の什物(じゅうもつ)は中世より伝来するものもあれば、近世や近代の寄進などの新規受入により加わったものもある。それらは今後、相国寺で活かされ、価値を見いだされ、什物としての履歴を積み重ねて成長してゆくことだろう。第5章「未来へと育む相国寺の文化 “永存せよ”」ではそうした作品群を展示している。

 国宝《玳玻盞 散花文天目茶碗(たいひさん さんげもんてんもくちゃわん)》は、花の文様が浮かび上がることからその名がある。中国江西省吉州窯(きっしゅうよう)でつくられた天目茶碗の優品。大名茶人の松平不昧の箱書きがある。本作が相国寺に入ったのは近年のことという。


重要文化財《大瀑布図》 円山応挙筆 江戸時代 安永元年(1772) 相国寺蔵

後期展示/4月29日[火・祝]~5月25日[日]展示


 円山応挙筆《大瀑布図》(重要文化財)は、表装部分を加えると縦4メートル近い。そこに広がるのは、絵画というよりもバーチャルリアリティの世界。


重要文化財《蔦の細道図屏風》 伝俵屋宗達筆 烏丸光広賛 江戸時代 17世紀 相国寺蔵

後期展示/4月29日[火・祝]~5月25日[日]展示


 伝俵屋宗達筆《蔦の細道図屏風》(重要文化財)は、大画面ながら料紙装飾下絵のような、大胆で明快なデザイン性が際立った作品。当代きっての能書家・烏丸光広(からすま みつひろ)も賛が書きづらそう。サインがほんの小さく山の端にのっているのも一興。


 雪舟が学び、若冲、応挙も集った相国寺。江戸中期には慈照寺内で中国や日本の作品を展覧する古書画展が催され美術館のような役割も果たしており、文化人ネットワークの拠点でもあった。まさに日本の美の本流を育ててきた場所であることを、本展を通して感じてもらえることだろう。



観覧料


一般 2,000円、高校・大学生 1,200円、中学生以下は無料


※藝大アートプラザでの当日券の取り扱いはしておりません。

※障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)。


 
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