特別展「江戸☆大奥」
- ldq03330
- 56 分前
- 読了時間: 5分
会期:2025年7月19日[土]~ 9月21日[日]
前期展示:7月19日[土]~8月17日[日]
後期展示:8月19日[火]~9月21日[日]
開館時間:9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
毎週金・土曜日、7月20日[日]、8月10日[日]は午後8時まで開館
休館日:月曜日、7月22日[水]
※ただし、7月21日[月・祝]、8月11日[月・祝]、9月15日[月・祝]は開館
会場:東京国立博物館 平成館
展覧会公式サイト:https://ooku2025.jp
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

『千代田の大奥』より「千代田大奥 御花見」 楊洲周延筆 明治27年(1894) 東京国立博物館蔵
※会期中、展示替えがあります。
華麗なる大奥の光と影。知られざる女性たちの真実が今、明かされる。
きものや婚礼調度、錦絵など一堂に。大奥の歴史と文化に迫る。
現代の私たちが「大奥」と聞くと、選び抜かれた才色兼備の女性たちが豪華絢爛な衣装をまとい、広大な江戸城で優雅に暮らす姿を思い浮かべるかもしれない。
しかし、一見華やかに映る将軍の後宮も、厳格な制度としきたりに縛られ、徳川家の存続という親族からの期待と、世継ぎを生み育てるという途方もないプレッシャーの中で送る日々は、決して美しい側面だけではなかったはず。
歴代の御台所(みだいどころ)とその女中たちの歴史を紐解くと、徳川将軍家という強大な権力のもと、時にその権勢を振るい、またあるときには厳しい制約に苦しめられながら生きてきた女性たちの栄枯盛衰が見えてくる。
それでも、彼女たちは守るべきしきたりの中で日々を送りながらも、閉ざされた生活の中で喜びや悲しみといった喜怒哀楽を享受していた。
娯楽小説や芝居、ドラマなどで描かれる想像の世界とは異なる、知られざる大奥の真実を、遺された歴史資料やゆかりの品を通して知り、体感する展覧会。

奥奉公出世双六 万亭応賀作、歌川国貞(三代豊国)筆 江戸時代 19世紀 東京都江戸東京博物館蔵
前期展示
本展は4章構成で、その第1章「あこがれの大奥」では、庶民が抱いた大奥への憧れを掘り下げる。
ドラマなどで有名な長い御鈴廊下のセットをはじめ、十一代将軍徳川家斉の時代の大奥をモデルにしたとされる『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』や、『千代田の大奥』に代表される錦絵などを通して、江戸時代から現代まで続く大奥のイメージを紹介する。
江戸時代、大奥は庶民にとって憧れの対象でありながらも、江戸城の奥深くに隠された神秘的な世界だった。幕末から明治にかけて活躍した絵師、楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)は、大奥の様子を懐古的に描き、絶大な人気を博した。彼の作品は、大奥に暮らす女性たちの生活や年中行事を、絢爛豪華な40場面の錦絵で鮮やかに描き出している。

春日局像 伝狩野探幽筆 江戸時代 17世紀 東京・公益財団法人 德川記念財団蔵
通期展示

江戸城本丸大奥総地図 江戸時代 19世紀 東京国立博物館蔵
通期展示
第2章「大奥の誕生と構造」では、「大奥」の礎を築いたと言われる春日局(斎藤福)と家光との関係、草創期の大奥を支えた天樹院(千姫)、そして大奥で大きな政治的権力を握り栄枯盛衰を見てきた女中たちに焦点を当てる。
現在の皇居には、かつて大奥が存在した江戸城の本丸、二の丸、西の丸があった。「江戸城本丸大奥総地」など、遺された文書や絵図から、大奥を含む実際の江戸城の本丸内の構造を知ることができる。

重要文化財 刺繡掛袱紗 浅葱繻子地杜若と撫子に酒器「長生」字模様 瑞春院(お伝の方)所用
江戸時代 17~18世紀 奈良・興福院(奈良市)蔵 前期展示

搔取 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様 天璋院(篤姫)所用 江戸時代 19世紀 東京・公益財団法人 德川記念財団蔵
8月5日(火)~17日(日)
第3章「ゆかりの品は語る」では、閉ざされた大奥での生活の中で、気丈に生きた歴代大奥のヒロインが取り上げられる。
中でも注目は、重要文化財である奈良・興福院所蔵の刺繍掛袱紗(かけふくさ)全31枚の公開。これらは五代将軍徳川綱吉が、唯一実子をもうけた側室である瑞春院(お伝の方)へ、贈り物にかけるために贈ったとされている。元禄期における刺繍技術の粋を凝らしてあつらえられた掛袱紗が、折々の行事に際して贈られていたことが分かる。またドラマや映画とは異なる、本来の武家女性のきものの刺繡模様を間近に見られるのも見どころのひとつとなる。

羽織・着付 萌黄繻子地的矢模様 坂東三津江所用、高木キヨウ氏寄贈 江戸時代 19世紀 東京国立博物館蔵
通期展示
そして第4章「大奥のくらし」では、婚礼調度品や四季折々の衣装、かるたや楽器などの遊び道具などから大奥の中での暮らしを紐解く。
壮麗な婚礼調度とともに輿入するのは、大奥に生まれた将軍の息女や、大奥に迎え入れられた御台所たち。彼女たちは大奥の中では、どのような日々を過ごしていたのだろうか。
大奥には女性の歌舞伎役者の出入りもあったが、11代将軍・家斉の時代、坂東三津五郎に弟子入りした坂東三津江が大奥で演じた際に用いた《羽織・着付 萌黄繻子地的矢模様》などの衣装が一挙公開されるのは、本展が初となる。

竹菱葵紋散蒔絵婚礼調度 鶴樹院(豊姫)所用 文化13年(1816) 東京国立博物館蔵
通期展示
なお、本展の音声ガイドナビゲーターには、NHKドラマ10「大奥」で徳川吉宗役を務め、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では大奥総取締 高岳役を演じている冨永愛が就任。
また、江戸の大奥を舞台に猫と人間の静かでユーモラスな日々を描く漫画『猫奥』(講談社)とのコラボレーション、会場限定コラボグッズの販売なども予定しており、本展を記念した特別な企画が多数展開される。
観覧料金:一般 2,100円(一般前売 1,900円)、大学生 1,300円(大学生前売 1,100円)、高校生 900円(高校生前売 700円)
※本展は事前予約不要です。
※中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
※混雑時は入場をお待ちいただく可能性がございます。
※本券で、会期中観覧当日に限り、東博コレクション展(平常展)もご覧になれます。
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
※東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1,100円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示ください。
Comments