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ルーヴル美術館展 ルネサンス

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8月25日
読了時間: 9分

会期:2026年9月9日[水]〜12月13日[日]

開館時間:10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで

休館日:毎週火曜日

    ※ただし9月22日[火・祝)、11月3日[火・祝]、12月8日[火]は開館、

      11月4日[水]は休館


会場:国立新美術館 企画展示室1E

展覧会公式サイト https://www.ntv.co.jp/louvre2026/



レオナルド・ダ・ヴィンチ《女性の肖像》、誤って付された別称《美しきフェロニエール》

1490‒1497年頃 パリ、ルーヴル美術館 © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado



レオナルド・ダ・ヴィンチ《美しきフェロニエール》日本初公開!!

ボッティチェリなどルーヴル美術館が誇るルネサンス作品50点余りが集結!!


 世界最大級の規模を誇るルーヴル美術館のコレクション。本展ではその中から選ばれた50点余りの作品を通して、15~16世紀にヨーロッパで栄えたルネサンス美術の特徴を紹介する。

 特に、個人の能力や個性への関心が高まった時代に発展した「肖像」に注目し、レオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》を初めて日本で展示。現存するレオナルドの真筆は約15点と少なく、ルーヴル所蔵作品の来日は1974年の《モナ・リザ》以来、約半世紀ぶりとなる。さらに、レオナルドから導いた4つのテーマを軸に、絵画、彫刻、版画、素描、工芸など多彩な作品を紹介し、ルネサンス芸術の魅力を浮き彫りにする。


ヴェネツィアの画家《ヴェネツィア共和国の使節団を迎えるダマスクス総督》 1511年頃 パリ、ルーヴル美術館

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Gabriel De Carvalho / distributed by AMF-DNPartcom


 レオナルドから導いた4つのテーマのうちの第I章は「旅」。15~16世紀のルネサンス期は、「旅」を通じて人々が未知の世界を発見し、文化や芸術が大きく発展した時代である。商業、交易、外交、戦争、布教など多様な目的による人や物の往来は、経済発展と異文化交流を促した。

 エラスムスやモンテーニュら人文主義者は各地を旅して異文化への思索を深め、芸術家も技術向上のため国境を越えて交流した。北方の芸術家はイタリアで古代美術や遠近法を学び、イタリアの画家は北方の油彩技法や写実表現を取り入れるなど、様式や技法が相互に伝播した。また、各地を移動する君主の宮廷文化は、タペストリーや長持など携帯可能な豪華な調度品を発展させ、君主たちが都市に入るときの祝典(入市式)の記念メダルなどの芸術も洗練させた。

 本章での注目は《ヴェネツィア共和国の使節団を迎えるダマスクス総督》。1511年頃のダマスクスを舞台に、ダマスクス総督がヴェネツィア使節団を迎える場面を描いた作品。ウマイヤ・モスクや街並み、人々の服装などが精密に描かれ、異国情緒を際立たせている。実際の出来事かは不明だが、当時はヴェネツィア共和国とマムルーク朝政府の間で緊張が高まっていた。


アルブレヒト・デューラー《サイ》 1515年(初版) パリ、ルーヴル美術館

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom


 アルブレヒト・デューラーの《サイ》も注目。デューラーはイタリアで学んだ技法を取り入れつつ、高度な版画技術で活躍したドイツ・ルネサンスの巨匠。本作は、実物を見ずに資料と想像力だけで描いたため、実際のサイとは異なる特徴を持つ。それでも高い人気を得て、18世紀半ばまでヨーロッパの博物学書や江戸時代の日本にも影響を与えた。

 一方、タペストリーは、防寒や間仕切りに役立つ実用的な装飾品で、ルネサンス期には持ち運ばれて使用された。《田園の合奏》には、楽器を奏でる男女を中心に、恋愛の調和や女性による愛の征服、幸福な結末を象徴するモチーフが描かれており、二人の恋の成就を表している。


南ネーデルラント(?) 《田園の合奏》 16世紀第1四半期 パリ、ルーヴル美術館 

Photo © Musée du Louvre, Dist. GrandPalaisRmn / Philippe Fuzeau / distributed by AMF-DNPartcom


 第II章は「技法の革新と洗練」。ルネサンス美術の発展は、さまざまな技法の革新と深く結びついていた。

 ヨーロッパ北部では油彩技法が発展し、ぜんまいの開発によって懐中時計も生まれた。また、活版印刷術の確立を背景に木版画や銅版画が普及し、複製だけでなく独立した芸術として発展した。版画は作品の図像を広く伝え、マヨリカ陶器やリモージュのエマイユ画など、他の工芸にも影響を与えた。さらに、ベルナール・パリシーは実物の動植物を型取りした「田園風陶法」を生み出した。彫刻ではロストワックス鋳造法が復活し、大小さまざまなブロンズ像の制作が可能となった。こうした技術革新は、芸術表現の幅を広げ、ルネサンス美術の多様化と発展を支えた。


フランス、おそらくパリ《「田園風陶法」による楕円水盤》 1600 ‒1650年 パリ、ルーヴル美術館 

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF-DNPartcom


 マルカントニオ・ライモンディは、ラファエロらの作品を版画化する「複製版画」を発展させ、ラファエロの作品のイメージを広めると同時に自身の名声も高めた。代表作《パリスの審判》は、失われたラファエロの原作を伝える貴重な作品となり、後世の西洋美術に大きな影響を与え、マネの《草上の昼食》にも着想を与えた。


マルカントニオ・ライモンディ、ラファエロ・サンツィオの原作に基づく《パリスの審判》

1513‒1518年頃 パリ、ルーヴル美術館 

Photo © Musée du Louvre, Dist. GrandPalaisRmn / Angèle Dequier / distributed by AMF-DNPartcom


 第III章は「古代へのまなざし」。ルネサンスでは、古代ギリシア・ローマ文化を規範として再評価する「古代復興」が人文学から芸術へ広がった。

 人文主義者は古代文献を研究・出版し、特にオウィディウスの『変身物語』は、神話を題材とする絵画や彫刻の重要な着想源となった。芸術家たちはローマの遺跡や古代彫刻を訪れて素描し、建築や人体表現を学んだほか、版画や石膏像などの複製を通して古代美術を研究した。15世紀後半には遺跡の発掘が盛んになり、王侯貴族による古代彫刻の複製品の収集も活発化した。こうした古代ブームを背景に、ルネサンスの彫刻家たちは、古代に確立され中世に衰退していたロストワックス鋳造法を復興させ、大型彫像から小像、装飾板、メダルまで多様なブロンズ作品を制作した。


サンドロ・ボッティチェリ《5人の天使に囲まれる聖母子》 1470年頃 パリ、ルーヴル美術館 

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Gabriel De Carvalho / distributed by AMF-DNPartcom


 《5人の天使に囲まれる聖母子》は、ボッティチェリが20代半ばに制作したとされる「謙遜の聖母」を描いた作品。聖母は幼子イエスとザクロを抱え、背景には純潔を象徴するユリや5人の天使が描かれている。衣服の立体的なドレープによって人物の身体の形を巧みに表現し、自然な立体感を生み出しており、そこには古代彫刻の学習の影響が見られる。


ルカス・クラーナハ(父) 《三美神》 1531年 パリ、ルーヴル美術館 

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Mathieu Rabeau / distributed by AMF-DNPartcom


 ドイツ・ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)が、ヴィッテンベルク宮廷で制作したギリシア神話の「三美神」を描いた作品。古代美術の伝統的な構図を取り入れながら、中央の女神を正面向きにするなど独自の表現を加えている。また、女性たちの裸身や当時流行の装飾品によって、古代の女神ではなく現実の女性を思わせる、官能的な雰囲気を生み出している。


ロンバルディアの画家《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》 1500 ‒1512年頃 パリ、ルーヴル美術館

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom


 最終章の第IV章は「肖像芸術の隆盛」。ルネサンス期もキリスト教信仰は人々の生活の基盤だったが、人文主義の発展により、身体的・内面的な個性をもつ「個人」への関心が高まった。

 その表れとして伝記や旅行記などが増え、肖像芸術も大きく発展した。肖像画は当初、王侯貴族や高位聖職者を中心に描かれたが、次第に知識人や富裕市民にも広がった。服装や持ち物、背景などから人物の職業や地位を示し、女性は婚約や結婚の記念として描かれることが多かった。また、北方のフランドルでは、人物を斜めに描く「四分の三正面観」が発展し、風景を背景にした奥行きのある表現が生まれた。この形式はイタリアにも広まり、横顔に代わって主流となった。さらに芸術家たちは、容貌だけでなく姿勢や視線を工夫し、人物の心理や感情まで表現するようになり、レオナルドやティツィアーノらによって肖像芸術は高度に洗練された。

 《女性の肖像》は、フランス風の服装をした女性の肖像画で、北イタリア・ロンバルディアの画家による作品と推測されている。作者やモデルは特定されていないが、16世紀初頭のフランス支配下のミラノ公国との関係が考えられる。1683年にはレオナルド・ダ・ヴィンチ作「美しきフェロニエール」と記録され、その後、別のレオナルド作品との混同が生じ、現在まで誤った呼称が残っている。


ジャン・クリストフォロ・ロマーノ、本名ジャン・クリストフォロ・ガンティ《ベアトリーチェ・デステ》

1490 ‒1491年頃 パリ、ルーヴル美術館

Photo © GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom

 

 ベアトリーチェ・デステは1491年、15歳でミラノ公ルドヴィコ・スフォルツァに嫁いだ。この肖像彫刻は結婚の際に両親へ贈られたものと考えられ、胸のエンブレムには両家の同盟が示されている。作者ジャン・クリストフォロ・ロマーノは、各地の宮廷から依頼を受けた著名な彫刻家で、ベアトリーチェの髪型や飾り紐には当時の北イタリアの流行が反映されている。


 本展は、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《美しきフェロニエール》を筆頭に、ルネサンスを代表する巨匠たちの絵画や、多彩な技法による作品を通して、ルネサンス美術の魅力と真髄が紹介される。必ずやルネサンス美術の真髄に触れる貴重な機会となることだろう。



観覧料(税込)

◉前売券

一般 2,200円

大学生 1,300円

高校生 900円

◉当日券

一般 2,400円

大学生 1,400円

高校生 1,000円


※中学生以下は入場無料

※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料

※10月1日(木)~14日(水)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)

※会期中に国立新美術館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を国立新美術館チケット売場で提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。

※国立新美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を学生1,200円、教職員2,200円でご覧いただけます。国立新美術館チケット売場でお求めください。


※前売券・当日券は9月9日(水)~12月6日(日)まで有効です。

※12月7日(月)~13日(日)は日時指定制を導入するため、日時指定券の購入が必要です。詳細は後日、展覧会公式ウェブサイト・展覧会公式SNSで発表します。

※前売券販売期間:6月18日(木)~9月8日(火)(ただし、国立新美術館では9月7日(月)まで)


※チケット取り扱い

アソビュー!、日テレゼロチケ、ローソンチケット、国立新美術館(開館日のみ)


招待券プレゼント
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