春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪
会期:2026年3月14日[土]~5月10日[日]
前期3月14日[土]~4月12日[日]
後期 4月14日[火]~5月10日[日]
※大幅な展示替えを行います。
開館時間:午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(5月4日は開館)
会場:府中市美術館2階 企画展示室

長沢蘆雪《菊花子犬図》 個人蔵 前期・後期展示
日本美術が秘めてきた“カワイイ”の豊かさを再発見する、
東京では実に64年ぶりの蘆雪展
もし「江戸絵画は難しい」と感じているなら、まず長沢蘆雪の絵の前に立ってみてほしい。理屈より先に、思わず頬がゆるむはずだ。
18世紀の京都画壇では、円山応挙と伊藤若冲が人気を二分していた。蘆雪は応挙の門下にあって、その写実的で洗練された技法を受け継いだ腕利きの画家である。

長沢蘆雪《狗児図扇面》 本間美術館 前期展示
明治36年(1903)の藤岡作太郎の『近世絵画史』では、ときにアイディアと構成力は応挙を上回ると評価され、大勢いる応挙の弟子の中で呉春とともに真っ先に挙げられながらも、「覇気」が溢れ出てしまい応挙のような落ち着きや深みがない、と書かれている。
ところが、1970年の辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』では、その「覇気」を逆に「奇想」として評価。以降、蘆雪は若冲や曽我蕭白と並ぶ“奇想の画家”として注目されてきた。
円山派の確かなリアリズムと奇想の自由闊達さ。蘆雪はその両方をあわせ持つ存在と言えるだろう。

長沢蘆雪《四睡図(部分)》 本間美術館 後期展示
しかし、現代の私たちが蘆雪に強く惹かれる理由は、もっと素直なところにあるのではないだろうか。とにかく、かわいい。無邪気な子どもや子犬、小動物たちは、見る者の心をまっすぐにつかむ。愛おしいものへのまなざしをそのまま筆にのせたような画面は、専門知識がなくとも楽しめ、「何コレ?」と自然に会話が生まれる。
かわいい絵を描いた画家は他にもいる。だが蘆雪は、それを技巧に溺れず、さまざまな手法で率直に表現した。だからこそ、時代を超えて共感が届くのだろう。

長沢蘆雪《唐子遊図襖(部分)》個人蔵 前期・後期展示
府中市美術館が毎春開催してきた「江戸絵画まつり」は、そうした蘆雪の魅力を繰り返し紹介してきた。今年はその集大成として、蘆雪を単独で特集する。
初公開作品に加え、後期には蘆雪の代表作として名高い和歌山・無量寺の《竜虎図襖》も展示予定。
さらに俵屋宗達以来の子犬表現の系譜をたどるコーナー(前期)や、蘆雪の“ゆるさ”の背景を探る禅画や文人画も並び、作品世界の広がりを体感できる構成となっている。

長沢蘆雪《虎図襖(部分)》 無量寺・串本応挙芦雪館、重要文化財 後期展示
残念ながら「江戸絵画まつり」は今年で幕を閉じるが、そのフィナーレを飾るにふさわしいのがこの、東京では実に64年ぶりとなる蘆雪展だ。
日本美術が秘めてきた“カワイイ”の豊かさを再発見しながら、蘆雪の世界に思いきり浸ってみたい。

長沢蘆雪《南天狗子図(部分)》 個人蔵 前期展示
【観覧料】
一般 800円(640円)
高校・大学生 400円(320円)
小・中学生 200円(160円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※未就学児は無料。
※障害者手帳(ミライロID可)等をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。
※府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」提示で無料。
※「長沢蘆雪」展観覧料金でコレクション展もご覧いただけます。
※2度目は半額!
観覧券をお求め頂くと、本展1回限り有効の観覧券半額割引券が付いてきます。
※その他各種割引・優待についてはこちらをご覧ください。
※最新の開館状況については、美術館ウェブサイト、またはハローダイヤル(050-5541-8600)等にてご確認ください。




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