ロン・ミュエク
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- 5月12日
- 読了時間: 7分
会期:2026年4月29日[水]~9月23日[水]
開館時間:10時~22時(火曜日のみ17時まで)
※ただし8月11日[火・祝]、9月22日[火・祝]は22時まで
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
「生とは何か」の問いが鋭く突き刺さる圧倒的な存在感!!
初期から近作までの貴重な11点を網羅した待望のロン・ミュエク展が開催
一目見るだけで圧倒される、その驚異的な写実性。
オーストラリア出身の現代美術作家ロン・ミュエク(1958年生まれ、英国在住)は、革新的な素材と精緻な技法を駆使し、人間の内面にある孤独や不安、脆さといった感情を揺さぶる具象彫刻で世界的な評価を確立してきた。
本展では、ロン・ミュエクの初期作から近作までの制作活動を包括的に紹介。日本では2008年に金沢21世紀美術館で回顧展が開催された以来、2度目の大規模個展。2023年のパリでの開催を皮切りにミラノ、ソウルを経て、森美術館とカルティエ現代美術財団との長きにわたる協力関係により東京で実現した大規模な巡回展となる。
出展作の多くが日本初公開。総作品数が約50点というミュエクの彫刻を集めて個展として開催するのは難しく、11点もの作品を集めて展示する本展はまたとない機会となる。
実物より極端に大きく、あるいは小さく造形された彫刻たちが、鑑賞者の知覚や存在そのものへの問いを突きつける。

《枝を持つ女》 2009年 ミクストメディア 170×183×120 cm
所蔵:カルティエ現代美術財団 展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
会場に入って最初に鑑賞者を迎えてくれるのは、日本初公開の《枝を持つ女》。身体に引っかき傷のある全裸の女性が、まるでおとぎ話の一場面のように、扱いにくい大きな木の枝の束を必死に抱えようとしている様子。
シュールで物語性を感じさせる光景を描きながらも、その目的や背景を意図的に曖昧にしているかのようだ。あえて明確な答えを提示しないことで、鑑賞者一人ひとりが独自の物語を想像するよう促しているのが特徴の作品。

ロン・ミュエク《イン・ベッド》 2005年 ミクストメディア 162×650×395 cm
所蔵:カルティエ現代美術財団 展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
《イン・ベッド》は、長さ6.5m、幅約4mの巨大な中年女性が横たわる日常的な場面を描いた大型作品で、手であごを支え、上方を見つめる表情は不安や憧れなど、多様な解釈を誘う。
鑑賞者は顔を間近に見つめながら内面を想像するが、決して視線は交わらず独特の距離感が生まれる。日本でも展覧会を通じて広く知られている作品である。

《若いカップル》 2013年 ミクストメディア 89×43×23 cm
所蔵:ヤゲオ財団コレクション(台湾) 展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
《若いカップル》は、鑑賞者自身の捉え方によって、様々な解釈ができる作品。正面からは、10代の男女が寄り添って立ち少年が少女に何かを打ち明けている、初々しいワンシーンように見える。しかし背後に回って見ると、彼は彼女の手を握るのではなく手首をがっしり掴んで動けなくしているように見える。そこに漂う不穏な空気。2人の表情を再度見つめ直しながら、その関係を想像させられるだろう。

《エンジェル》 1997年 ミクストメディア 110×87×81 cm
個人蔵 画像提供:アンソニー・ドフェイ(ロンドン)
翼を持つ小さな男性が椅子に座り物思いにふける姿を描いたミュエクの初期の代表作《エンジェル》も日本初公開。
18世紀のイタリアの画家ティエポロの《ヴィーナスと時間の寓意》に登場する「時間」を象徴する人物から着想を得ているが、一般的な天使像とは異なり、人間の身体と比べて小さく、悲しげで内省的な存在として表現されている。

《買い物中の女》 2013年 ミクストメディア 113×46×30 cm
所蔵:タデウス・ロパック(ロンドン・パリ・ザルツブルク・ミラノ・ソウル)
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
買い物袋と赤ん坊を抱えた疲れた母親の姿を描き、日常の重圧や弱さを強調した作品《買い物中の女》は、日本初公開。113cmと実際の人間よりやや小さく造形され、視線も他者と交わらないことで孤独感が際立つ。
「聖母子像」の現代的解釈とも捉えられるが、実際はロンドンで目にした日常の一場面をもとに、大都市の切なさを表現している。

《マスクⅡ》 2002年 ミクストメディア 77×118×85 cm
個人蔵 展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
《マスクⅡ》は、作家自身の眠る顔を約4倍の大きさで表現した作品で、髭や毛穴、シミ、目尻のシワなどが繊細に表現され、わずかに開いた口からは息が漏れる音が聞こえてくるよう。実はこの作品は、背面が空洞になっており、文字通り“マスク”のような造形となっている。現実と非現実の曖昧さを示すミュエクの典型的な作品であり、タイトルも自己像の真実性と虚構性を示唆している。

《マス》 2016-2017年 合成ポリマー塗料、ファイバーグラス サイズ可変
所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
本展の目玉となるのが、約300㎡にわたって巨大な頭蓋骨の彫刻100点で構築されたインスタレーション《マス》。この作品は会場ごとに展示室の構造や特性に合わせて再構成されるため、森美術館でしか見ることのできない特別な空間となる。頭蓋骨が床一面に転がり、天井近くまで積み上げられた異様な空間は、歩く者に強烈な印象を与える。
本作は「メメント・モリ」(Memento Mori、死を忘れるな)というラテン語起源の思想や西洋美術の伝統、医学・考古学、現代文化にも通じる普遍的な主題を持つ。
《マス》というタイトルは大量や集団を意味し、個々に異なる頭蓋骨が無名の集団として迫ってくることで、人間の集合体を示唆している。

《チキン/マン》 2019年 ミクストメディア 86×140×80 cm
所蔵:クライストチャーチ・アートギャラリー/テ・プナ・オ・ワイウェトゥ(ニュージーランド)
Purchased 2019 by Christchurch Art Gallery Foundation with assistance from Catherine and David Boyer, Friends of Christchurch Art Gallery Te Puna o Waiwhetū, Charlotte and Marcel Gray, Ben Gough Family Foundation, Jenny and Andrew Smith, Gabrielle Tasman and Ken Lawn, Christchurch Art Gallery Foundation’s London Club along with 514 other generous individuals and companies.
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン 画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館
さらに、長年ミュエクに密着してきたゴーティエ・ドゥブロンドによる貴重な写真や映像も併せて公開され、比類なき彫刻が生まれる制作の舞台裏も明らかにされる。
吸い込まれるような神秘さと、息遣いまで聞こえそうなリアリティ。そこに「生とは何か」という問いが鋭く突き刺さる。
初期から近作までを網羅した本展は、ミュエクが歩んできた創作の軌跡とその圧倒的な存在感に深く迫る、またとない貴重な機会となることだろう。
【料金】
※( )=オンラインチケットの料金
※日時指定枠に空きがある場合は、当日、窓口にてチケットをご購入いただけます。
[平日]
一般 2,300円(2,100円)
学生(高校・大学生)1,400円(1,300円)
中学生以下 無料
シニア(65歳以上)2,000円(1,800円)
[土・日・休日]
一般 2,500円(2,300円)
学生(高校・大学生)1,500円(1,400円)
中学生以下 無料
シニア(65歳以上)2,200円(2,000円)
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。各種オンラインチケット販売サイトから「日時指定券」をご購入ください。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※本展のチケットで、同時開催プログラムもご鑑賞いただけます。
※表示料金は消費税込
オンラインチケット販売サイト:森美術館オンラインチケット(4月28日までお得な前売券を限定販売中)、Trip.com、Klook、ART PASS
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)




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