会期:2023年12月2日[土]〜2024年2月12日[月・振]
開館時間:10時〜18時 ※金曜日は20時まで開館、入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(1/8、2/5、2/12は開館)、12/29[金]~1/1[月]、1/9[火]
東京ステーションギャラリー
稚拙なものを拝み続けてきたことに本質がある。
北東北の個性的な仏たち約130点が奇跡の大集合!!
仏像と聞くと、まずは奈良、京都、江戸、鎌倉の立派なご本尊が思い浮かぶが、こちらはそうした枠から逸脱した本州北のはずれ、北東北の個性的な仏たちが“奇跡の大集合”を遂げた展覧会。
江戸時代、幕府や諸藩によって、寺院が「本山(ほんざん)」とこれに属する「末寺(まつじ)」に整理されると、日本各地の寺院の本堂の形状や荘厳(しょうごん、装飾のこと)は宗派ごとに統一され、大阪・京都・江戸・鎌倉などの工房で作られた端正な仏像・神像が祀られるようになった。
一方、地方の村々では、十王堂や観音堂などの小さな仏堂や祠を拠り所に、素朴な仏像や神像が祀られた。これらの「民間仏」は、仏師ではなく地元の大工や木地師によって粗末な素材で手がけられたものであり、そこに本尊のような端正さはない。
たとえば、青森県田子町の洞圓寺の《不動明王二童子立像》。腰をくねらせた不動明王の両脇に立つのは、プリプリした童子体型そのものの制吒迦童子(せいたかどうじ、左)と矜羯羅童子(こんがらどうじ、右)。山深い土地で生まれた、なんともいえない味わいに満ちている。
本展の監修者である須藤弘敏氏は、「“稚拙”は決してネガティブな言葉ではない、稚拙なものを拝み続けてきたことに本質がある」と語る。その彫りの拙さやプロポーションのぎこちなさは、単にユニークというだけではなく、厳しい風土を生きるみちのくの人々の心情を映した祈りのかたちそのものといえるだろう。
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