会期:2024年9月14日[土]〜11月12日[火]
※会期中展示替えを行います
開館時間:10時~17時(最終入場時間 16時30分)
休室日:9月24日[火]、9月30日[月]、10月7日[月]、10月15日[火]、
10月21日[月]、10月28日[月]、11月5日[火]
会場:三井記念美術館
バーミヤン東大仏龕天井壁画 描き起こし図(部分) 宮治昭監修・正垣雅子筆 2022年 龍谷ミュージアム
東西の大仏を原点に太陽神と弥勒の世界に迫り、
弥勒信仰の広がりをガンダーラ彫刻と日本の仏像・仏画の名品で辿る!!
バーミヤン遺跡は、アフガニスタン中央のヒンドゥークシュ山脈に位置し、6世紀頃から交通の要所となり、文化が交差する「文明の十字路」と呼ばれていた。崖に掘られた石窟には、高さ38mの「東大仏」と高さ55mの「西大仏」がそびえ立ち、その壁面には太陽神と弥勒が描かれていた。
本展は、その大仏とともに弥勒信仰の広がりを、インド・ガンダーラ彫刻や日本の古寺に伝わる仏像を通して紹介するもの。2001年にタリバンによって破壊された壁画は、過去の調査資料を元に復元され、今回、東京で初公開される。
スーリヤ柱頭 2~3世紀 平山郁夫シルクロード美術館
バーミヤン遺跡の東大仏の頭上には、ゾロアスター教の太陽神・ミスラ、西大仏の周囲には、弥勒が住まう兜率天の様子が描かれていたと考えられている。壁画は破壊されたが、破壊前の調査資料を基に10分の1縮尺で描き起され、展示室4の「東西二体の大仏と壁画の描き起こし図」にて初公開される。
スーリヤ像 4~6世紀 龍谷ミュージアム
東大仏の頭上に描かれていたのは、ゾロアスター教の太陽神ミスラであるという説が有力。インドでもミスラと同じ語源を持つミトラ神が信仰されていたが、ギリシアの太陽神ヘリオスの影響でスーリヤが太陽神として信仰されていった。展示室1・3「太陽神の信仰」では、太陽神の様々な姿や仏教との関わりを紹介する。
奉献小塔 2~3世紀 平山郁夫シルクロード美術館
また、同じく展示室4の「玄奘三蔵と『大唐西域記』」では、『西遊記』の三蔵法師のモデルである唐の僧・玄奘(602〜664)に焦点を当てている。20年近く中央アジアから経典の原典を求めてインドを旅し、630年頃にバーミヤンを訪れ大仏を目撃した。彼の旅行記『大唐西域記』には、大仏やバーミヤンの信仰が記されている。
弥勒菩薩交脚像 2~3世紀 平山郁夫シルクロード美術館
玄奘が『大唐西域記』で東大仏を「釈迦仏」と明言している一方、西大仏は不明だったが、壁画から「弥勒仏」であった可能性が判明した。弥勒は釈迦入滅後、未来に下生する救世主として2〜3世紀頃からガンダーラで信仰され、中央アジア、中国、朝鮮半島へ広がりを見せた。展示室4・5「アジアの弥勒信仰」では、弥勒信仰の起源と広がりを紹介する。
重要文化財 弥勒菩薩半跏像 白鳳時代・天智5年(666) 大阪・野中寺
ガンダーラ・中央アジアで発展した弥勒信仰は、中国・朝鮮を経て日本にも伝わり、奈良時代の法相宗の寺院で盛んになった。平安時代後期以降、弥勒信仰は上生・下生信仰や密教、阿弥陀信仰とも関連しながら独自に展開する。展示室2・7「日本の弥勒信仰」では、こうした日本の弥勒信仰を背景に生まれた仏像や絵画を紹介する。
弥勒菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
弥勒は「弥勒六部経」など多くの経典に登場し、兜率天や阿弥陀浄土への往生が説かれている。展示室5「弥勒に関する経典と図像」では、弥勒信仰に影響を与えた経典や、様々な弥勒像を紹介する。
妙法蓮華経 巻第七 上元3年(676) 三井記念美術館
新たな描き起こし図に目を見張りながら、壁画に表された太陽神と弥勒の世界に迫り、さらに中央アジアで発展した弥勒信仰が、東アジアへと伝わって多様な展開を遂げる様子を、貴重な美術品とともに辿る絶好の機会だ。
観覧料:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生 1,000円(900円)、中学生以下 無料
●土曜・日曜・祝日及び11月26日(火)以降は日時指定予約制(当日空きがあれば入場可)
●11月22日(金)までの平日は日時指定予約は不要です。
※70歳以上の方は1,200円(要証明)
※20名様以上の団体の方は( )内割引料金となります
※リピーター割引:会期中一般券、学生券の半券の提示で、2回目以降は( )内割引料金となります
※障害者手帳の提示された方、およびその介護者1名は無料です(ミライロIDも可)
TEL 050–5541–8600(ハローダイヤル)
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