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特別展「法然と極楽浄土」

会期:2024年4月16日[火]~6月9日[日] ※会期中、一部作品の展示替えを行います。

開館時間:9時30分~17時00分 (入館は閉館の30分前まで)

休館日:月曜日、5月7日[火]  ※ただし、4月29日[月・祝]、5月6日[月・休]は開館


会場:東京国立博物館 平成館



国宝  阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎) 鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵 【前期展示】

国宝 阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎) 鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵 【前期展示】



浄土宗の850年にわたる歴史と美術を

国宝や重要文化財を含む貴重な名宝とともにたどる


 相次ぐ戦乱、頻発する天災や疫病、逃れられない貧困など、平安時代末期の人々は苦悩に満ちた「末法(まっぽう)」の世に生きていた。そうした中に現れたのが、法然(法然房源空、ほうねんぼうげんくう、1133~1212)である。承安5年(1175年)、「南無阿弥陀仏」と称えれば誰もが救われ、極楽浄土に往生できると説き、浄土宗を開いた。

 法然の教えは既存の仏教界からは批判を受け、75歳のときには讃岐国(香川県)へ配流という困難にあった(やがて帰京し、80歳で往生を遂げる)。しかし、貴族から庶民に至るまで多くの人々に支持され、現代に至るまで連綿と受け継がれている。


国宝  綴織當麻曼陀羅(部分) 中国・唐または奈良時代・8世紀 奈良・當麻寺蔵(画像提供:奈良国立博物館)  【展示期間:4/16〜5/6】

国宝 綴織當麻曼陀羅(部分) 中国・唐または奈良時代・8世紀 奈良・當麻寺蔵(画像提供:奈良国立博物館)

【展示期間:4/16〜5/6】


 本展は、浄土宗の850年にわたる歴史と美術を、国宝や重要文化財を含む貴重な名宝とともにたどる展覧会。

 浄土宗でもっとも中心的に信仰される仏(本尊)は、極楽浄土に住む阿弥陀如来(阿弥陀仏)。阿弥陀如来はすべての衆生(しゅじょう)を救うために立てた48の誓願(せいがん)を達成し、極楽浄土を建立した。西方にあるといわれるその世界は、美しい七宝や花、妙なる音楽に満ち、一切の苦がないとされている。念仏を称える人が現世で臨終の際、阿弥陀如来は聖衆とともに来迎し、極楽浄土への往生に導いてくれると考えられている。

 会場では、修理によってよみがえった国宝《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)》を展示。大きな見どころとなる。


重要文化財  當麻曼陀羅図(貞享本) 青木良慶・宗慶筆 江戸時代・貞享3年(1686) 奈良・當麻寺蔵 【展示期間:5/8〜6/9】 (画像提供:奈良国立博物館)
重要文化財 當麻曼陀羅図(貞享本) 青木良慶・宗慶筆 江戸時代・貞享3年(1686) 奈良・當麻寺蔵
【展示期間:5/8〜6/9】 (画像提供:奈良国立博物館)

 もともとインド・中国で発展した極楽浄土への往生を願う信仰は、日本では天台宗の比叡山延暦寺や平安貴族を中心に取り入れられた。一般にこれらを「浄土教」「浄土信仰」と呼ぶ。源信の『往生要集』は平安時代におけるその代表的な著作。法然はこのように浄土教が盛んだった比叡山で学び、とくに中国唐代の阿弥陀仏信仰者である善導(ぜんどう、613~681)から大きな影響を受け、独自の教義を確立し教団を形成するに至った。これが今に続く「浄土宗」で、親鸞の浄土真宗や一遍の時宗が成立する土台ともなっていく。


重要文化財 大蔵経 宋版(帖末) 中国 宋時代・12世紀 東京・増上寺蔵 【通期展示 ※会期中展示替えあり】

 「南無阿弥陀仏」とは、「阿弥陀如来に帰依します」という意味。浄土宗では、六字名号(ろくじみょうごう)ともいわれるこのフレーズを、念じるだけでなく声に出すこと(称名念仏、口称念仏)が、極楽往生を遂げるために必要な行法とされる。他の行を排してひたすら念仏を称えれば極楽往生できるという「専修念仏」の教えは、その容易さから多くの支持を得ていった。


重要文化財 徳川家康坐像 江戸時代・17世紀 京都・知恩院蔵 【展示期間:4/30〜6/9】
重要文化財 徳川家康坐像 江戸時代・17世紀 京都・知恩院蔵 【展示期間:4/30〜6/9】

 法然の没後、弟子たちは精力的に活動を行い、その法脈は各地の諸派に伝えられてゆく。九州(鎮西)を拠点に教えを広めていった聖光の一派である鎮西派は、その弟子良忠が鎌倉を拠点として宗勢を拡大した。また、証空を祖とする一派である西山派は、京都を拠点に活動を展開し、『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を図示した當麻曼陀羅(たいままんだら)を見出しその流布に大きな業績を残した。会場では、蓮糸で綴られたという伝説を持つ国宝《綴織當麻曼陀羅》や、本尊を最大・最詳に写した江戸の極彩曼陀羅《當麻曼陀羅図(貞享本)》を見ることができる。


五百羅漢図  第24幅 六道 地獄 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵 【前期展示】
五百羅漢図 第24幅 六道 地獄 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵 【前期展示】

 江戸時代には、徳川家康が増上寺を江戸の菩提所、知恩寺を京都の菩提所と定めたことにより、浄土宗は確固たる地位を占めることになった。ここでの見どころは、幕末の絵師、狩野一信が晩年におよそ10年の歳月をかけて制作した大幅《五百羅漢図》全100幅のうちの24幅や、浄土宗に帰依した家康が自身の指示で造らせた重要文化財《徳川家康坐像》。


五百羅漢図  第57幅 神通 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵 【後期展示】
五百羅漢図 第57幅 神通 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵 【後期展示】

 困難な時代に貴賎の分け隔てなく万人の救済を目指した法然と門弟たちの生き方や、大切に守り伝えられてきた文化財にふれる貴重な機会となる。



本展は事前予約不要です。

観覧料金:一般 2,100円(一般前売1,900円)大学生 1,300円(大学生前売1,100円)高校生 900円(高校生前売700円)

※詳細は、展覧会公式チケットページでご確認ください。


【問い合わせ先】

050-5541-8600(ハローダイヤル)


 
招待券プレゼント
特別展「法然と極楽浄土」の招待券を、2組4名様にプレゼントいたします。読者アンケート「本展で注目する作品」を添えて、Web美庵編集部(LDQ03330@nifty.com)宛、メールにてご応募ください。なお、当選は発送をもって代えさせていただきます。
 

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