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豊原国周生誕190年 歌舞伎を描く―秘蔵の浮世絵初公開!

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  • 1月31日
  • 読了時間: 5分
会期:2025年1月25日[土]〜3月23日[日]

前期:1月25日[土]〜2月24日[月・振休]

後期:2月26日[水]〜3月23日[日]

開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで)

     夜間開館=毎週土曜は18時まで、2月19日[水]、3月19日[水]、

     3月21日[水]は20時まで

休館日:月曜日、全館停電2月2日[日]、2月25日[火]
    ※2月10日[月]、24日[月・振休]は開館

会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)



国貞・国周の初公開錦絵、国貞の肉筆画帖《芝居町 新吉原 風俗絵鑑》など、

絶品の静嘉堂コレクションで歌舞伎役者絵の展開をたどる!!


 静嘉堂は、三菱二代社長・岩﨑彌之助夫人・早苗が愛玩した「錦絵帖」を多数所蔵し、1996年の展覧会で国貞の美人画を紹介して高い評価を得ている。

 本展では、美人画と並ぶ二大ジャンル・役者絵に焦点を当て、初期浮世絵から明治期にいたる役者絵の歴史をたどってゆく。

 幕末明治の浮世絵円熟期に制作された国貞の密画の肉筆画帖や、その弟子で明治の写楽と称された国周(くにちか)らの、あたかも今摺られたように美しい「錦絵帖」が初公開される。


「歌舞伎図屏風」 紙本金地着色 二曲一隻 江戸時代前期(17 世紀) 通期展示

「歌舞伎図屏風」 紙本金地着色 二曲一隻 江戸時代前期(17 世紀) 通期展示


 第一章「歌舞伎絵の流れ」では、肉筆「歌舞伎図屏風」や一枚物の浮世絵版画を通して、役者絵の流れと木版技術の進化とを紹介する。

 歌舞伎の絵の始まりは、今から400年以上前、京都で阿国歌舞伎が流行したころとされている。

 江戸でも芝居が始まると、演目や出演者を知らせる芝居番付が木版で摺られるようになる。その後、墨摺りに手彩色を加えた「丹絵」や「漆絵」、さらに紅色、草色を中心に三版で表現した「紅摺絵」の手法で、役者が見得を切る姿などが描かれるようになった。

 そして明和2年(1765)には「錦絵」(多色摺木版画)が誕生。憧れのスターが色鮮やかに描かれるようになる。形式的だった役者の容姿は似顔で描かれはじめる。浮世絵師も鳥居派だけでなく、勝川派や歌川派などが台頭し、切磋琢磨する。寛政年間(1789~1801)には、役者の胸から上を描いた大首絵が生み出され、画題の種類も広がった。


二代鳥居清倍「二世市川団十郎の佐野源左衛門、松本幸四郎の青砥左衛門、山下金作の佐野女房難波津」  細判漆絵 享保8 年(1723) 前期展示

二代鳥居清倍「二世市川団十郎の佐野源左衛門、松本幸四郎の青砥左衛門、山下金作の佐野女房難波津」

細判漆絵 享保8 年(1723) 前期展示


 第二章は、「珠玉の錦絵帖」。

 幕末明治期、錦絵は技術の粋を集め、華やかな時代を迎えた。

 歌川派の全盛期、歌川国貞は三代歌川豊国を名乗り、歌川派は写真のような写実的な役者絵を次々と生み出し、役者と錦絵は互いに影響を与え合う関係に。役者見立絵と呼ばれる、架空の舞台を役者似顔で描いた作品も人気を集めました。

 錦絵界では、歌川国貞(三代豊国)が重鎮となり、版元は競って趣向を凝らしたシリーズを企画。三代豊国の弟子・国周や、国芳の弟子・芳幾は写真の時代を意識した斬新な役者絵を生み、役者見立絵とよばれる、架空の舞台を役者似顔で描く作品も版行される。芝居と浮世絵は密接に結びつき、白浪五人男の弁天小僧は、三代豊国の錦絵に触発されて脚本が創られ、五世尾上菊五郎の当たり役となった。


豊原国周「五世尾上菊五郎の大磯禱龍館之図」 大判錦絵三枚続 明治24年(1891) 後期展示

豊原国周「五世尾上菊五郎の大磯禱龍館之図」 大判錦絵三枚続 明治24年(1891) 後期展示


 「錦絵帖」には、国貞(三代豊国)、初代豊国、国芳、芳幾、二代国貞、そして国周と、歌川派の役者絵が収められている。版元が摺りたての錦絵を折帖にして納めたとも言われるこれらの画帖は、冒頭に版元:具足屋の仕掛絵があったり、明治の名優・五世菊五郎の似顔が多数納められるなど興味深い特徴もある。


三代豊国(国貞)「三世中村歌右衛門の五斗兵衛盛次」 大判錦絵 文久3年(1863) 前期展示

三代豊国(国貞)「三世中村歌右衛門の五斗兵衛盛次」 大判錦絵 文久3年(1863) 前期展示


 第三章は、「明治の写楽・豊原国周」。

 今年は豊原国周生誕190年。錦絵帖で目を惹くのは、国周が五世尾上菊五郎を三枚続一人立の水彩画のような色彩で描いた明治20年代の作。福田熊次郎(人形町具足屋)の版行だ。国周は左団次と五世菊五郎を贔屓にしていたそうだが、国周、菊五郎、具足屋のトリオで版行された丁寧な錦絵は、国周の集大成、明治26年(1893)から翌年、わずか2年足らずで菊五郎の当たり役を百枚揃で描いた「梅幸百種」に結実する。

 「生来任侠にして奇行に富む」「妻を離別すること40人以上、転居実に83度」「一男二女ありしも画系を継がず、門人数名あり」という、まさに江戸っ子気質の国周の役者絵はまるで歌舞伎を観ているような臨場感があり、明治になってもなお当時の観客を魅了した。


豊原国周「五世尾上菊五郎の柴田勝家」 大判錦絵 明治2年(1869) 後期展示

豊原国周「五世尾上菊五郎の柴田勝家」 大判錦絵 明治2年(1869) 後期展示


 第四章は、「歌川国貞の肉筆画帖」。

 極彩色で細密に描かれた「芝居町 新吉原 風俗絵鑑」は、芝居町と新吉原の情景をそれぞれ6図ずつ描いた12図構成の大画面肉筆画帖。

 芝居町の6図は、絵巻のように展開し、市村座の前の人々の開幕を待つわくわく感を描いた情景、「車引」の舞台、楽屋の様子、「浅間ケ嶽」の舞台、興行が終わり皆で宴会する様子など、歌舞伎小屋での一日を網羅しており、役者絵のバリエーションを網羅した力作。新吉原の6図も遊郭での魅惑的な一日を描き切った内容だ。

 無落款ながら卓越した描写力から国貞(三代豊国)の作とされ、幕末の江戸風俗画の極致と評価されている。ぜひとも間近で堪能してほしい。


三代歌川豊国(国貞)「芝居町 新吉原 風俗絵鑑」一帖のうち  第三図「菅原伝授手習鑑のうち車引の場」 絹本着色 江戸時代(19世紀) 通期展示

三代歌川豊国(国貞)「芝居町 新吉原 風俗絵鑑」一帖のうち

第三図「菅原伝授手習鑑のうち車引の場」 絹本着色 江戸時代(19世紀) 通期展示


 なお、本展では大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」でも注目を集める蔦屋重三郎の小特集も見どころのひとつ。版元・蔦屋重三郎が打ち出した歌麿やその弟子たち、写楽周辺の絵師たちの作品とともに、失われた蔦重の墓碑の拓本という貴重な資料も見ることができる。


栄松斎長喜「難波屋店先」 間判錦絵三枚続 版元:蔦屋重三郎 寛政4-5年(1792-93)頃 前期展示  ※灯籠に「奉納浅草観世音 願主 蔦屋重三郎」とあり

栄松斎長喜「難波屋店先」 間判錦絵三枚続 版元:蔦屋重三郎 寛政4-5年(1792-93)頃 前期展示

※灯籠に「奉納浅草観世音 願主 蔦屋重三郎」とあり


 本展では、近世初期風俗画をはじめ、素朴な味わいのある初期浮世絵や、多色刷りで鮮やかに表現された錦絵、歌舞伎役者のバストアップを捉えた大首絵など、役者絵の多彩な作品を一堂に俯瞰する絶好のチャンス。静嘉堂コレクション秘蔵の浮世絵の数々を、絶品の色彩で楽しみたい。



入館料

一般 1,500円、大学・専門学校・高校生 1,000円、中学生以下 無料、障がい者手帳提示の方 700円(同伴者1名 無料)


※当日券の販売もございます。(入館はご予約の方が優先となります)

※無料チケットをお持ちの方はご予約不要です。


 
無料鑑賞券プレゼント
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