会期:2024年10月16日[水]〜 12月8日[日]
開館時間:9時30分~17時00分 ※毎週金・土曜日は20時00分まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※ただし、11月4日[月]は開館、11月5日[火]は本展のみ開館
本展は事前予約不要です。
会場:東京国立博物館 平成館
展覧会公式サイト https://haniwa820.exhibit.jp
埴輪の最高傑作《埴輪 挂甲の武人》をはじめ国宝18点を含む、
約120件の至宝が東博に集結!!
古墳時代の3世紀から6世紀にかけて作られた素焼きの造形・埴輪。日本列島で独自に出現・発展し、丸みを持ち簡略化された世界的にも珍しい造型に特徴がある。
特別展「はにわ」では、埴輪の最高傑作《埴輪 挂甲の武人》をはじめとする国宝18点を含む、約120件の至宝を全国各地から集めて紹介する。
「プロローグ 埴輪の世界」では東京国立博物館の《埴輪 踊る人々》を紹介。この埴輪は、博物館創立150周年を機に修理され、2024年3月末に完成し初めて公開される。埴輪といえば思い浮かぶこの形は、実は時代が新しく、表現が簡略化されている。しかし、その「ゆるさ」が特徴。王の祭りで踊る姿という説のほか、最近では片手を挙げて馬の手綱を引いているという説も有力。
「第1章 王の登場」では、国宝を通じて古墳時代と埴輪の背景を振り返る。埴輪は王の墓である古墳に立てられ、副葬品が出土する。副葬品は王の役割に応じて変化し、古墳時代前期(3~4世紀)は宝器、中期(5世紀)は武器・武具、後期(6世紀)は金色の馬具や装飾付大刀が見られる。また、各時期には中国大陸や朝鮮半島との関係を示す副葬品も出土する。
本章に登場する《国宝 金製耳飾》は、水滴形や円錐形の飾りが付いた三連のチェーンを持つ金製の耳飾りで、銀やガラスの部品も使われている。揺れるたびに輝き、音を奏でる当時最先端のアクセサリーだった。古代国家・加耶(かや)で作られ、熊本の豪族にもたらされたと考えられている。
「第2章 大王の埴輪」では、埴輪の出現から消滅までの変遷を時期別に考察する。ヤマト王権の大王の墓に立てられた埴輪は、その大きさや技術で他を圧倒している。大王の古墳は時期に応じて築造場所が変わり、古墳時代前期は奈良盆地、中期は大阪平野、後期は淀川流域に築かれた。特に中期の大阪の百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群は、世界文化遺産に登録されている。
本章に登場する《重要文化財 円筒埴輪》は、日本最大の埴輪。奈良県のメスリ山古墳では、後円部中央の竪穴式石室を取り囲むように多数の巨大な円筒輪がたてられたが、これはそのうちでも2mを上回る最大のもの。2cmほどしかない薄さにも注目。
「第3章 埴輪の造形」では、各地域の高い水準で作られた埴輪や独特な造形を紹介する。埴輪の出土は岩手県から鹿児島県まで広がり、地域ごとの習俗や技術者の熟練度、大王との関係によって表現が異なっている。その結果、大王墓に匹敵する精巧な埴輪や地域色豊かな個性的な埴輪が作られた。
本章に登場する《馬形埴輪》は、古墳時代に朝鮮半島から伝わり普及した馬を表している。多くの馬形埴輪は装飾された「飾り馬」で、この埴輪もそれを忠実に模しているが、頭部の表現が独特で、被り物や垂れたたてがみを表していると考えられ、全国的にも珍しい例。
埴輪として初めて国宝となった《埴輪 挂甲の武人》は、東京国立博物館が誇る、頭から足まで完全武装した埴輪。古墳時代の武人の姿を鮮やかに再現し、考古学と美術の両面から高い評価を受けている。2017年3月から2019年6月までの約28か月間、バンク・オブ・アメリカからの支援を受け、丁寧な解体修理が行われた。「第4章 国宝 挂甲の武人とその仲間」では、最新の研究成果も紹介する。教科書や切手などでお馴染みのこの埴輪は、まさにサムライのルーツと言えるもの。
この《埴輪 挂甲の武人》と似た埴輪は4体あり、そのうち1体はシアトル美術館に所蔵されている。今回は5体を初めて一堂に展示する。
また、《埴輪 挂甲の武人》は、かつて白、赤、灰の3色で彩られていたことが最新の調査で明らかになった。このたび、実物大で彩色復元を行い、鮮やかな当時の姿が再現される。
埴輪は人物や動物を組み合わせて物語を表現する。「第5章 物語をつたえる埴輪」では埴輪群像を場面ごとに紹介し、盾持人や力士などの役割を示す。
神聖な家形埴輪は古墳の中心に置かれ、王の居館を再現していた可能性がある。また、動物埴輪も役割が異なり、ダイナミックな展示で紹介していく。
古墳時代が終わると埴輪は作られなくなったが、江戸時代に考古遺物への関心が高まり、再び注目を集めた。著名人が愛蔵した埴輪、著名な版画家の斎藤清が描いた埴輪、埴輪の総選挙(群馬HANI-1グランプリ)でNo.1になった埴輪など、幅広い層に愛されている。「エピローグ 日本人と埴輪の再会」では、近世以降の埴輪の捉え方を紹介する。
東博では約50年ぶりとなる埴輪展。日本人なら誰もが姿とかたちを知っている埴輪の魅力にあらためて迫り、埴輪が作られた古墳時代の流れをたどる絶好の機会となるだろう。
観覧料金:2,100円(一般前売1,900円)、大学生 1,300円(大学生前売1,100円)、高校生 900円(高校生前売700円)
※中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に学生証、障がい者手帳などをご提示ください。
※混雑時は入場をお待ちいただく可能性がございます。
※本券で、会期中観覧日当日に限り、総合文化展もご覧になれます。
※東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1,100円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示ください。
詳細は、展覧会公式チケットページでご確認ください。
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