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おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE

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  • 7月10日
  • 読了時間: 5分

会期:2026年6月27日[土]〜 8月30日[日]

開館時間:10時~18時(金・土曜日は、20:00まで) ※入場受付は閉館の30分前まで

休室日:月曜日(7月20日をのぞく)、7月21日[火]


会場:千葉市美術館


【同時開催】

■なぞとき!日本の物語絵

2026年6月27日[土] – 8月30日[日]


■千葉市美術館コレクション選

特集:江戸・明治の装い/本城直季

2026年7月8日[水] – 8月2日[日]


■つくりかけラボ

清水裕貴|幽霊椅子事件

2026年6月20日[土]-10月4日[日]



「装い」という視点を軸に、おとぎ話のイメージが様々なジャンルに

どのように広がり、受け継がれてきたのかを見つめる


 おとぎ話は、何を着てきたのだろう?

 ガラスの靴を履いたシンデレラ、赤い頭巾をかぶる赤ずきん、長靴を履いた猫──私たちが思い浮かべるおとぎ話の主人公たちは、物語だけでなく、その「装い」とともに記憶されている。本展は、おとぎ話を読むのではなく、「着るもの」から見つめ直す展覧会だ。


ウォルター・クレイン「赤ずきん」(『赤ずきんの絵本』より) [1898年] 鶴見大学図書館蔵


 本展では、民話や神話、寓話、童話までを広く「物語」と捉え、挿絵本や出版文化が大きく発展した 19〜20世紀を中心に、おとぎ話のイメージがどのように形づくられ、人々に共有されてきたのかをたどる。挿絵本や版画、ドレス、舞台芸術資料など181点を通して、物語とモードが響き合う豊かな世界を紹介する。


アーサー・ラッカム『ふしぎの国のアリス』 1907年 青山学院大学図書館蔵


 見どころの最初は、挿絵が生み出した“おとぎ話の定番イメージ”。挿絵は登場人物の姿を決定づけ、時には現実のファッションにも影響を与えてきた。

  例えば、『不思議の国のアリス』の主人公アリスのワンピースにエプロン姿は、ジョン・テニエルによる最初の挿絵がその決定的なスタイルを作って、後のアリス表象にも引き継がれた。さらに続編の『鏡の国のアリス』に登場したアリスのヘアバンド(日本ではカチューシャといわれる)はアリスバンドと呼ばれ、挿絵のイメージがリアルクローズにも溶け込んだ好例と言える。


ウォルター・クレイン『シンデレラ』 1873年 鶴見大学図書館蔵


 次の見どころは、おとぎ話の中で、装いそのものが物語を動かす重要な役割を担っている点。シンデレラのドレスやガラスの靴は、もともとは高い身分に生まれながら不当な境遇に置かれた少女の変身と尊厳の回復を象徴し、赤ずきんでは、主人公の愛称そのものが装いに由来している。


マルク・ボアン(クリスチャン・ディオール)《イヴニング・ドレス》 1964年秋冬

文化学園ファッションリソースセンター蔵 撮影:安田如水(文化出版局)


 会場では、いわゆるお姫様像としてイメージされてきた 18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズや、戦後の女性たちに新しいリソースを提示したディオールのニュールックを思わせる衣装も交えながら、物語と装いの深い結びつきを立体的に読み解いている。


「青い鳥」衣装(デザイン:レオン・バクスト/着用:スタニスラス・イジコフスキー) 1920年代

兵庫県立芸術文化センター 薄井憲二バレエ・コレクション


 3つ目の見どころは、おとぎ話が、本だけでなくバレエや舞台芸術、ファッションへと表現の場を広げた点だ。

 特にバレエ・リュスの衣装デザインは、おとぎ話を現代的な美意識と融合させ、新たな表現を生み出した。例えばレオン・バクストか手がけた『眠れる森の美女』の青い鳥の衣装には、アール・デコ風の装飾や繊細な刺繍が取り入れられ、おとぎ話の再解釈が表れている。


エルザ・スキャパレッリ《イヴニング・ケープ》 1930年代 共立女子大学博物館蔵

(展示期間:7月28日〜8月30日)


 見どころの4つめは、おとぎ話が文学や舞台芸術だけでなく、実際のファッションの世界にも豊かな着想を与えてきたこと。

 特に『千夜一夜物語』は、バレエ・リュスの「シェヘラザード」でレオン・バクストが手掛けた大胆な色彩と異国趣味あふれる衣装が、舞台芸術のみならず20世紀初頭のモードにも大きな影響を与え、ポール・ポワレらデザイナーの創作を刺激した。そしてジョルジュ・バルビエをはじめとする挿絵画家たちによっても表現された。こうしたおとぎ話のイメージは時代ごとの美意識をまとい、新たな姿へと生まれ変わり続けてきたのだ。


ジョルジュ・バルビエ「シェヘラザード」『モード・エ・マニエル・ドージュルデュイ』 1914年(PI.9)

神戸ファッション美術館蔵


 本展は、物語が装いを生み、装いが物語を育てる、その創造の連鎖をたどる、今までありそうでなかった新しい試み。

 ページの上から舞台へ、そしてファッションへ──おとぎ話が紡いできた想像力の歴史が、千葉市美がチカラを結集したおとぎの国と見まごうキラキラの展示会場とともに、あなたを迎えることだろう。



【展覧会関連イベント】

※特別上演「おとぎの国をめぐる踊りと音楽」

2026年8月16日[日]11:00〜(10:30開場予定)/15:00〜(14:30開場予定)

監修・出演 関典子(神戸大学准教授/薄井憲二バレエ・コレクション・キュレーター/コンテンポラリーダンス)

出演 後藤俊星(バレエ)、若林絵美(バレエ)、佐藤一紀(ヴァイオリン)、三浦栄里子(ピアノ)


※トークイベント「おとぎ話はだれのもの」

2026年8月1日[土]14:00 〜15:30(13:30開場予定)

出演 レイチェル・ダムール(ドラァグクイーン)、山下彩華(千葉市美術館学芸員)


※映画上映会「ロバと王女」

2026年7月11日[土]14:00 -(13:30開場予定)


ほか多数 千葉市美術館ホームページでご確認ください。



【観覧料】

一般1,500円(1,200円)、大学生1,000円(800円)、小・中学生、高校生無料

※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

※(   )内は団体20名以上、および市内在住65歳以上の料金

◎ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料2割引

◎本展チケットで7階企画展「なぞとき!日本の物語絵」および5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」もご覧いただけます


招待券プレゼント
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