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大ゴッホ展 夜のカフェテラス

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  • 6月4日
  • 読了時間: 6分

会期:2026年5月29日〜2026年8月12日 ※会期中無休

開館時間:(日~木曜日)9:00~17:30 (金・土・祝日)9:00~19:00

      ※入館は閉館の30分前まで


会場:上野の森美術館

展覧会公式サイト https://grand-van-gogh-tokyo.com



名作《夜のカフェテラス》、約20年ぶり日本公開!!

前半生のアルル時代までの作品約60点を、影響を受けた画家の作品とともに。


 世界中で愛される画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。わずか10年ほどの画業ながら、苦悩を情熱へと変え、多くの名作を生み出した。

 本展は、彼の才能を早くから見抜いたヘレーネ・クレラー゠ミュラー(クレラー゠ミュラー美術館創設者、1869-1939)のコレクションのみで構成される2期にわたるゴッホ展。

 今回の第1期では、オランダ時代からパリを経て、南仏アルルで傑作《夜のカフェテラス(フォルム広場)》に到達するまでの“若きゴッホの成長物語”をたどる。


フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のカフェテラス(フォルム広場)》 1888年9月16日頃

油彩/カンヴァス、80.7×65.3cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 まずゴッホの原点を探る「第1章 バルビゾン派 、ハーグ派」では、彼に大きな影響を与えたオランダのハーグ派とフランスのバルビゾン派を紹介。

 自然や農民の暮らしを描いた両画派、とりわけ宗教的精神性を備えたバルビゾン派にゴッホは強く惹かれた。ハーグ派のヨーゼフ・イスラエルスとバルビゾン派のミレーの作品を通して、若きゴッホの芸術形成の原点に迫る。

 ここで紹介されるのは、ジャン゠フランソワ・ミレー 《パンを焼く女》。バルビゾン派の巨匠ミレーは、農民たちの勤勉で敬虔な暮らしを力強く描いた画家。本作でも、パンを焼く農婦のたくましい姿が生き生きと表現されている。ゴッホはミレーに深く共感し、生涯を通じてその作品から学び続けた。


ジャンフランソワ・ミレー《パンを焼く女》 1854年

油彩/カンヴァス、55×46cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 牧師の家に生まれたゴッホは、画商や宗教活動の道を経たのち、27歳で画家になることを決意する。ハーグに移住して修業を重ねるものの、人間関係や芸術観の対立から師と決別。両親の住むニューネンへ移ると、農民や労働者の暮らしを題材に創作へ打ち込み、《じゃがいもを食べる人々》へとつながる暗い色調のなかに光を見出そうとする初期の画風を築いていった。

 《じゃがいもを食べる人々》の完成後、ゴッホはその魅力を伝えるためリトグラフを制作(会場に展示されるのはリトグラフ版)。だが評価は厳しく、版画表現の難しさを痛感することとなる。この経験を通じて、ゴッホは技巧よりも感情や心情を伝える表現を重視するようになる。


フィンセント・ファン・ゴッホ《大工の仕事場と洗濯場》 1882年5月下旬

鉛筆、黒チョーク、黒インクのペンと筆、茶色の淡彩、

不透明水彩、引っかき傷、升目状の跡/簀の目紙

28.6×46.8cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


フィンセント・ファン・ゴッホ《じゃがいもを食べる人々》 1885年4月

リトグラフ/網目紙、28.4×34.1cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 1886年にパリへ移ったゴッホは、弟テオの支えのもと、ピサロやロートレックら多くの画家と交流。モネ、ルノワール、セザンヌの表現や、スーラ、シニャックら新印象主義の技法に刺激を受け、独自の点描表現を発展させていく。

「第3章 パリの画家とファン・ゴッホ」では、ゴッホに影響を与えた印象派・新印象派の巨匠たちの作品を通して、その創作の転機をたどる。

 クロード・モネ 《モネのアトリエ舟》は、1874年、印象派第1回展を開催したモネが、拠点のアルジャントゥイユで制作した作品。画面中央の舟は、水上アトリエとして使っていた「アトリエ舟」。モネは舟の上から、きらめく光の反射や新鮮な視点をとらえ、印象派ならではの表現を追求した。


クロード・モネ《モネのアトリエ舟》 1874年、油彩/カンヴァス

50.2×65.5cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 パリ時代のゴッホは、わずか2年で色彩と筆致を大きく進化させた。花の静物画を通じて色彩表現を探求し、鮮やかな色使いと厚塗りで知られるモンティセリから強い影響を受ける。また、弟テオの支援により印象派の画家や作品に触れたことも大きな転機となった。

 ゴッホがこの時期に追求した表現の一つが、補色の活用である。色相環の反対側に位置する黄色と青、赤と緑などを効果的に組み合わせ、色彩同士の対比によって画面に強い印象と活力をもたらしている。「第4章 パリ時代」では、風景画や静物画、自画像を通して、ゴッホが明るく力強い独自の画風を確立していく過程を紹介している。

 パリ時代のゴッホは、モデル代を節約するため多くの自画像を描き、その数は25点にも及んだ。《自画像》では、細かな筆触と淡い色彩を用いて自身の姿を表現し、緑や青の背景が画面に奥行きと躍動感を与えている。


フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》 1887年4-6月

油彩/厚紙、32.4×24cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 1888年、パリの喧騒を離れたゴッホは、理想郷を求めて南仏アルルへ移住する。日本の浮世絵や素朴な農村社会を思わせるこの地で創作力が爆発し、15か月で約200点の油彩と100点以上の素描・水彩を制作。さらに「南方のアトリエ」の実現を目指して仲間を招き、後にゴーギャンも合流した。

 鮮烈な色彩表現はこの時期に大きく開花し、《夜のカフェテラス(フォルム広場)》に代表される独自の画風が確立される。本作は、街頭風景画や日本の浮世絵の影響を受けながらも、何よりゴッホの星空への強い憧れから生まれた。モーパッサンの小説や地中海で見た星空に触発された彼は、夜景を外で描くことはまだ珍しかった時代、アルルの夜の広場で制作を行った。ガス灯の輝きとコバルトブルーの夜空、きらめく星々らの補色の対比が、この作品の大きな魅力となっている。


フィンセント・ファン・ゴッホ《夕暮時の刈り込まれた柳》 1888年3月

油彩/厚紙に貼ったカンヴァス、31.6×34.3cm クレラー゠ミュラー美術館

© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink


 《夕暮時の刈り込まれた柳》は、黄色や青などの鮮やかな色彩と多彩な筆致で、夕陽に染まる柳の風景を描いた作品。長らく秋の情景と考えられてきたが、柳の新芽や葦の描写から、現在では1888年春頃の制作とみられている。

 本展は、オランダからパリ、アルルへと展開したゴッホの画風の変遷を通じて、新しい表現を模索し続けた画家の姿を伝えている。

 2027〜28年に開催されるゴッホのアルル時代から晩年までに着目した第2期では、《アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)》が約70年ぶりに来日予定。第1期とともに震災の節目を迎える神戸・福島・東京を巡回することで、ゴッホの「魂の探求」が明日を生きる力をそっと灯すことだろう。



観覧料(税込)

・平日(月〜金) 一般 2,800円、大学・専門学生・高校生 1,600円、中学生・小学生 1,000円

・土日祝     一般 3,000円、大学・専門学生・高校生 1,800円、中学生・小学生 1,200円

※6月30日(火)まで高校生以下は無料

※未就学児は無料。日時指定予約は不要、保護者(中学生以上、日時指定予約推奨)の同伴が必要。日時指定予約推奨。7月1日からは完全日時指定予約制。

※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳(障害者手帳アプリ「ミライロID」可)保有者とその介助者1名までは、当日価格の半額。

※中学生、高校生、大学生、専門学校生、各種お手帳をお持ちの方は、証明できるものを要提示。


招待券プレゼント

読者アンケート「“大ゴッホ展 夜のカフェテラス”で見たい作品3点」を添えてWeb美庵編集部宛、メールにてご応募ください(LDQ03330@nifty.com)。抽選で3組6名様に招待券をプレゼントいたします。なお、当選は発送をもって代えさせていただきます。


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