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特別展 魂を込めた 円空仏―飛騨・千光寺を中心にして―

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会期:2025年2月1日[土]〜3月30日[日]
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし2月10日、2月24日は開館)、2月23日[日]

会場:三井記念美術館

不動明王立像及び矜羯羅童子立像・制吒迦童子立像 千光寺

不動明王立像及び矜羯羅童子立像・制吒迦童子立像 千光寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives



二つの顔を持つ鬼神「両面宿儺」が日本橋に初登場!

荒々しい削り痕を残す“円空仏”を一挙公開!!


 江戸時代の山林修行僧、円空は、愛知、岐阜を中心に関東、北陸、さらには北海道まで広範囲に渡り、木彫の神仏像、いわゆる“円空仏”を数多く残した。その数は5000体あまりにも達し、円空は材木に神仏を観想(かんそう)し、「樹神」の姿を求めて彫刻したといわれている。


護法神立像 千光寺
護法神立像 千光寺




























護法神立像 千光寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 円空の彫刻は、生木に直接鉈(なた)を入れ、神仏像を造り上げるという独自の手法が特徴で、その姿勢は平安時代の樹神信仰=「立木仏(たちきぶつ)」に由来している。たとえば、飛騨の千光寺の《護法神立像》はその象徴的な例だ。


白山妙理大権現坐像 小川神明神社

白山妙理大権現坐像 小川神明神社


 円空は、樹木を「伐(き)り」「割り」「削る」行為に仏教儀礼の意味を込め、削り痕(あと)をわざと残すことで仏像に生命力を吹き込んだ。この手法は、円空仏の特徴的な造形を作り出し、現代彫刻にも通じる魅力を持っている。

 円空が信仰した「樹神」は、日本の神々や山岳信仰とも深く結びついており、特に円空の故郷である美濃(岐阜)、加賀(石川)、越前(新潟)地域には、白山信仰に基づく神像が多く見られる。また、円空は白山神の宣託を受けたとされ、白山神像を多数制作している。


両面宿儺坐像 千光寺

両面宿儺坐像 千光寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 円空の仏像には、慈悲と忿怒(ふんぬ)が交じり合った独特の表現が見られる。たとえば、千光寺の《両面宿儺(りょうめんすくな)坐像》は、忿怒相の中にも慈悲の表情が感じられ、鬼神や賊、もしくは飛騨地方の英雄とも伝えられる両面宿儺をモチーフとしたその造型には、円空独自の精神性が表れている。


柿本人麻呂坐像 東山神明神社

柿本人麻呂坐像 東山神明神社

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 円空はまた、歌人としても知られ、特に『万葉集』の歌人・柿本人麻呂に深い敬意を表していた。円空の歌集『袈裟山百首』には、柿本人麻呂の歌を多く引用しており、彼を「歌聖」・「歌の神」として崇拝していたことがわかる。


愛染明王坐像 霊泉寺

愛染明王坐像 霊泉寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 円空は、短期間で多くの像を彫り、木を削る行為を修行の一環として捉えていた。そのため、円空仏の特徴的な「削り痕」は、単なる技法にとどまらず、彼の精神的な入り込みを示すものといえる。

 円空の神像には、稲荷明神や狛犬のような多様な神々も含まれ、特に稲荷明神像には、狐を神の使いとして表現されたものも見られる。


十一面観音菩薩立像 村上神社

十一面観音菩薩立像 村上神社


 円空の作品には、仏教の多神教的な要素が反映され、如来、菩薩、明王、天部など、さまざまな仏像が彫られた。

 日本では奈良時代に十一面観音、千手観音などの観音菩薩像が造立されたが、円空にとって横に張り出す多臂の像は一木の樹木の制限があるため、多臂の観音像の作例は非常に

少なくなっている。


弁財天立像 飛騨国分寺

弁財天立像 飛騨国分寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 その一方で、円空の作品には、仏教経典や神話の要素も反映され、たとえば、宝珠を持つ観音菩薩像などでは、円空の仏教理解が深く表れている。


薬師如来立像 薬師堂

薬師如来立像 薬師堂


 円空はまた、仏像制作を通して、仏教の教義や神々の力を象徴的に表現した。たとえば、龍や宝珠を持つ像は、仏教の教えを視覚的に伝えるための重要なモチーフであり、円空の彫刻においてもその存在感が大きい。円空仏には、神々や仏教の教義が詰め込まれており、その芸術性は、現代に至るまで高く評価されている。


不動明王立像 素玄寺

不動明王立像 素玄寺

画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


 このように、円空は単なる仏像彫刻師にとどまらず、仏教の精神性と日本の信仰を深く理解し、木彫を通じてそれを表現した修行者であり、芸術家であったと言えるだろう。

 今から400年も前に生きた謎の多い僧の彫刻ながら、これらの木彫に魅了される現代人は後を絶たないことだろう。ぜひともこの絶好のチャンスに三井記念館に足を運び、その目で円空仏を目撃してほしい。


観覧料:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生 1,000円(900円)、中学生以下 無料

※70歳以上の方は1,200円(要証明)。

※20名様以上の団体の方は( )内割引料金となります。

※リピーター割引:会期中一般券、学生券の半券の提示で、2回目以降は( )内割引料金となります。

※障害者手帳の提示された方、およびその介護者1名は無料です(ミライロIDも可)。

※音声ガイドで分かりやすく解説いたします。(貸出料 700円/1台)

※予約なしでご入館いただけます。展示室内の混雑を避けるため入場制限を行う場合があります。


お問い合わせ先 050–5541–8600(ハローダイヤル)


 
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