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デ・キリコ展

会期:2024年4月27日[土]~8月29日[木]
開室時間:9時30分~17時30分、金曜日は20時まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、5月7日[火]、7月9日[火]~16日[火]

    ※ただし、4月29日[月・祝]、5月6日[月・休]、7月8日[月]、

     8月12日[月・休]は開室


会場:東京都美術館
展覧会公式サイト https://dechirico.exhibit.jp

《バラ色の塔のあるイタリア広場》 1934年頃 油彩・カンヴァス トレント・エ・ロヴェレート近現代美術館 (L.F.コレクションより長期貸与)


観る者を不思議な世界へと招待する、シュルレアリスムの先駆者


 ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)は、観る者を不思議な世界へと誘う、シュルレアリスムの先駆者と称される画家。

 イタリア人の両親のもとギリシャで生まれた彼は、1910年頃から独自の絵画スタイルを展開し始め、簡潔で明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法や脈絡のない配置、幻想的な雰囲気を取り入れ、日常の奥に潜む非日常を表現する。この時期の作品は後にキリコ自身によって「形而上絵画」と名付けられ、後のシュルレアリスムの画家、サルバドール・ダリやルネ・マグリットらにも衝撃を与えることとなる。

 本展は、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を、「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの絵画を余すところなく紹介する。


《予言者》 1914-15年 油彩・カンヴァス ニューヨーク近代美術館(James Thrall Soby Bequest)

 たとえば「イタリア広場」では、1910年のデ・キリコの、イタリア・フィレンツェでの体験が語られる。ダンテの像が建つサンタ・クローチェ広場のベンチに座った彼は、にわかに見慣れた風景が初めて見る光景であるかのような感覚に襲われたのだ。「イタリア広場」のシリーズは、形而上絵画が生まれる契機となったこの経験を反映するものだ。《バラ色の塔のあるイタリア広場》などの作品に見るように、柱廊のある建物や長く伸びた影、不自然な遠近法が、不安や憂愁を帯びた雰囲気を醸しだしている。


《形而上的なミューズたち》 1918年 油彩・カンヴァス カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(フランチェスコ・フェデリコ・チェッルーティ美術財団より長期貸与)

 一方、デ・キリコは形而上絵画のモチーフとして、マヌカン(マネキン)をしばしば取り入れている。マヌカンは、古典絵画において重要なモティーフであった人物像を、他のモティーフと同じモノとして扱うことを可能にするもの。マヌカンはしばしば、謎めいたミューズたち、予言者や占い師、哲学者、はたまた自画像など、様々な役割を演じている。会場では、《予言者》や《形而上的なミューズたち》、《不安を与えるミューズたち》など、マヌカンがさまざまな役割を果たす作品を紹介する。


《不安を与えるミューズたち》 1950年頃 油彩・カンヴァス マチェラータ県銀行財団 パラッツォ・リッチ美術館


 第一次世界大戦を経た1920年ごろから、デ・キリコは、ティツィアーノやラファエロ、デューラーといったルネサンス期の作品に、次いで1940年代にルーベンスやヴァトーなどバロック期の作品に傾倒し、西洋絵画の伝統へと回帰していく。過去の偉大な巨匠たちの傑作から、その表現や主題、技法を研究し、その成果に基づいた作品を描くようになる。本展では、《風景の中で水浴する女たちと赤い布》など、西洋の伝統絵画へと回帰した作品を目にすることができる。


《風景の中で水浴する女たちと赤い布》 1945年 油彩・カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

 さらに、1978年にこの世を去るまでの10年余りの時期に、デ・キリコはふたたび形而上絵画に取り組んでいる。それらは「新形而上絵画」と呼ばれ、若い頃に描いた広場やマヌカン、そして挿絵の仕事で描いた太陽と月といった要素を画面上で総合し、過去の作品を再解釈した新しい境地に到達している。会場では、《燃えつきた太陽のある形而上的室内》や《オイディプスとスフィンクス》など、晩年の新形而上絵画を紹介する。


《燃えつきた太陽のある形而上的室内》 1971年 油彩・カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

 展示される100点以上の作品は、彼の自画像や肖像画から、画家の名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで幅広い作品が含まれる。また、彼の彫刻や挿絵、舞台衣装のデザインなど幅広い創作活動も紹介され、デ・キリコの多彩な才能と魅力を堪能することができる。


《オイディプスとスフィンクス》 1968年 油彩・カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

 日本では10年ぶりの大規模な回顧展。デ・キリコ芸術の全体像に迫り、その唯一無二の表現力を堪能できるまたとない機会となる。




観覧料


一般2,200円(2,000円) / 大学生・専門学校生1,300円(1,100円) / 65歳以上1,500円(1,300円)

※( )内は前売料金。2024年3月14日(木) 10:00 ~ 4月26日(金) 23:59までの販売。

※土曜・日曜・祝日及び8月20日(火)以降は日時指定予約制


※高校生以下無料。

※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料。

※身体障害者手帳等のお手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)・高校生以下の方は、日時指定予約は不要です。直接会場入口にお越しください。

※高校生、大学生・専門学校生、65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください。

※毎月第3土曜日・翌日曜日は家族ふれあいの日により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般通常料金の半額(住所のわかるものをご提示ください)。日時指定予約不要、販売は東京都美術館チケットカウンターのみ。


TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)


 
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