チュルリョーニス展 内なる星図
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- 3月6日
- 読了時間: 6分
会期:2026年3月28日[土]ー6月14日[日]
開館時間:9時30分~17時30分(金・土曜日は20時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、5月7日[木](ただし、3月30日[月]、5月4日[月・祝]は開館)
会場:国立西洋美術館 企画展示室B2F
展覧会特設

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《祭壇》
1909年、テンペラ/厚紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
欧州で評価が高まるリトアニアの国民的芸術家・チュルリョーニス
代表作《レックス(王)》の日本初公開を含む約80点の大回顧展!!
リトアニアを代表する芸術家ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス。絵画と音楽の両分野で才能を発揮し、35歳で早逝するまでのわずか約6年間に300点以上の作品を制作した。世紀末のアール・ヌーヴォーや象徴主義、ジャポニスムなどの国際的潮流に呼応しつつ、作曲家としての感性と、ロシア帝国支配下でのリトアニア民族意識を背景とした独自の芸術世界を築いた。
本展は、リトアニアでの生誕150周年を記念する流れを受け、国立 M. K. チュルリョーニス美術館所蔵の絵画・グラフィック約80点を紹介する大回顧展となる。代表作《レックス(王)》が日本初公開されるほか、音楽形式の連作や自筆譜、会場に流れる音楽を通して作曲家としての側面も体感できる。近年、オルセー美術館など欧州各地で再評価が進むチュルリョーニス芸術の世界を広く紹介する内容となっている。

M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《リトアニア民謡「走れ、刈り入れの列よ」のための
ヴィネット》 1909年、インク/紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
1875年、リトアニア南部に生まれたチュルリョーニスは、オルガン奏者の父のもと音楽に親しみ、1894年にワルシャワ音楽院へ入学。交響詩《森の中で》などを作曲する一方で絵も描いた。その後ライプツィヒの音楽院で学び、1902年頃から本格的に画家を志す。1904年にはワルシャワ美術学校に入学し、象徴主義的傾向の作品を制作。短い約6年の画業で300点以上を残し、初期作《森の囁き》にはすでに音楽的特質が表れている。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《森の囁き》
1904年、油彩/カンヴァス、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
チュルリョーニスにとって祖国リトアニアの自然は創作の源であり、1905年のコーカサス旅行も自然の力への眼差しを深める契機となった。彼の作品は写実的風景ではなく、自然の生命感や循環を抽象的・象徴的に表現する点に特色がある。自然のモティーフはしばしば擬人化され、偶発的効果も取り入れられ、《春》《冬》などの連作では自然のリズムが追究され、後者では幾何学的抽象にまで接近している。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《春》
1907年、テンペラ/紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《冬Ⅳ[8点の連作より]》
1907年、テンペラ/紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
チュルリョーニスは、1907~1909年に絵画と音楽の融合を体系的に探究し、音楽の構造を絵画に応用する独自の方法を確立した。色彩による共感覚表現ではなく、楽曲の形式や対位法を取り入れ、「フーガ」や「ソナタ」連作で時間的要素を絵画に導入。画面を複数の層に分けてポリフォニー的空間を生み出し、伝統的遠近法を超えた表現により、20世紀抽象絵画に先駆ける自律的な絵画世界を切り開いた。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》
1908年、テンペラ/紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《第6ソナタ(星のソナタ):アレグロ》
1908年、テンペラ/紙、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
チュルリョーニスは、ロシア帝国支配下で高まったリトアニア民族解放運動に共鳴し、作品を祖国に捧げる決意を示した。リトアニア美術展の創設に関わり、民話・民謡・民芸や伝統的十字架などを創作の源とし、民族的様式の確立を目指した。一方で神智学やカミーユ・フラマリオンの天文学など国際的思想にも影響を受け、《祭壇》《レックス(王)》といった作品では民族を超えた普遍的な精神世界や宇宙的主題を探究した。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《おとぎ話(王たちのおとぎ話)》
1909年、テンペラ/カンヴァス、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
1908年以降、チュルリョーニスはさらなる飛躍と成功を求めてサンクトペテルブルクで活動し、滞在中の1909年に代表作《レックス(王)》を制作。美術批評家アレクサンドル・ベヌアから高く評価されたが、その賞賛を知ることはなかった。名声に恵まれず精神的に追い詰められるなか、ワシリー・カンディンスキーが理事を務めるミュンヘン新芸術家協会から、展覧会出品への招待を受けるも時すでに遅く、1910年末に病に倒れ、翌年肺炎により35歳で没した。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス《レックス(王)》
1909年、テンペラ/カンヴァス、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.
日本での展覧会は92年に続き2度目。2000年のオルセー美術館での展覧会をはじめ、近年欧州各地で展覧会が開催されて評価が高まるリトアニアの国民的芸術家・チュルリョーニスの全貌を、この機会にぜひ体感してほしい。
【観覧料】
一般 2,200円
大学生 1,300円
高校生 1,000円
※中学生以下、障害者手帳*をお持ちの方とその付添者1名は無料(入館の際に学生証等の年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください)
*対象となる手帳:身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保険福祉手帳・被爆者健康手帳
※大学生及び高校生の方は、入館の際に学生証をご提示ください。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員2,000円でご覧いただけます。(学生証または教職員証をご提示のうえ、会期中ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)
※観覧当日に限り、本展の観覧券で同時開催の「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」、常設展もご覧いただけます。




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