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建立900年 特別展「中尊寺金色堂」

会期:2024年1月23日[火]~4月14日[日] ※会期中に一部作品の展示替えあり
開館時間:9時30分~17時(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(2月12日[月・振]、3月25日[月]は開館)、2月13日[火]

会場:東京国立博物館 本館 特別5室
展覧会公式サイト https://chusonji2024.jp



平泉の至宝、歴史的公開!! 初めて中央壇上の国宝仏像11体をそろって展示。

超高精細な8KCGで実物大の金色堂を大型ディスプレイ上に再現。


 岩手県平泉町にある中尊寺金色堂は、天治元年(1124)、藤原清衡(ふじわらのきよひら、1056〜1128)によって建立された、東北地方現存最古の建造物だ。平安時代の浄土教建築の代表例であり、建物の内外は金色で飾られ、螺鈿蒔絵の漆工技法を駆使した装飾が施された絢爛豪華な姿は、当時の技術の粋を集めたものとして国宝に指定されている。都から離れた平泉は栄華を極めた奥州藤原氏が眠る聖地であり、この地の文化遺産は、2011(平成23)年に世界遺産登録がされている。

 本展は上棟の天治元年(1124)を建立年ととらえ、中尊寺金色堂の建立900年を記念して開催する特別展。堂内中央に設置された須弥壇に安置される国宝の仏像11体が一堂にそろい、かつて金色堂を荘厳していた国宝・金銅迦陵頻伽文華鬘を含む、まばゆいばかりの工芸品が紹介される。



 展覧会の見どころとしてまず、初めて中央壇上の国宝仏像11体が一堂にそろって展示されることが挙げられる。金色堂内には3つの須弥壇が設けられており、それぞれの内部に置かれた棺にいまも遺体が納められている。特に注目されるのは中央壇内部の棺に眠るとされる奥州藤原氏初代であり、金色堂を建立した藤原清衡。中央壇の仏像がそろって寺外で一般公開されるのは初めてのことになる。また、かつて金色堂内を荘厳していた工芸品の数々も展示される。



 阿弥陀三尊像は、中央に腹前で定印(じょういん)を結ぶ阿弥陀如来坐像があり、その前方左右に観音菩薩立像と勢至菩薩立像が配置されている。これらの像は全身が金色(皆金色、かいこんじき)で、ふっくらとした頬を持つ、穏やかで優美な表現が特徴。金色堂内の3つの須弥壇上の諸仏像は長い歴史の中で入れ替わっていると考えられるが、この三尊像は当初より中央壇に安置されていた可能性が高いとされている。これらが清衡が創建したときの像であるならば、当時の京の一流仏師による像と遜色のない仏像が奥州に伝えられていることになる。奥州藤原氏によって築かれた平泉の文化水準の高さをうかがい知る貴重な作例だ。



 地蔵菩薩像は阿弥陀三尊の両脇に3体ずつ安置される6体の像で、六道輪廻(ろくどうりんね)からの救済を願う当時の往生思想を体現したものと考えられている。頬がやや引き締まっていることから、阿弥陀三尊像よりも後の時代につくられたようで、造像当初に置かれていた壇から移動している可能性がある。本展では現在中央壇に安置されている状況と同じように展示する。



 二天像は持国天・増長天の二像で、大きく腰をひねって手を振り上げる躍動感が特徴だ。引き締まった面貌と大きく翻る袖の表現が見どころ。こうした激しい動きの表現は、のちに慶派仏師が得意とする鎌倉様式を先取りした奥州の仏像の先駆的感覚が奥州の仏像にみられることを示している。



 華鬘は、花輪をかたどった装飾で、金色堂の堂内を荘厳するもの。極楽浄土に住むという迦陵頻伽(かりょうびんが)と呼ばれる人頭鳥身の姿を表し、極楽浄土に咲くとされる宝相華唐草(ほうそうげからくさ)が透かし彫りされている。これらの装飾は、元来金色堂の柱の上部を横に渡る長押(なげし)に懸けられてた。この華鬘をはじめとする金色堂の堂内具は平安時代の堂内荘厳のさまをほぼそのまま伝えるきわめて貴重な作例だ。



 中尊寺経は、金泥字(きんでいじ)と銀泥字(ぎんでいじ)で一行おきに書かれ、見返しにも金銀泥を使って経文の意味を絵画で表現した唯一無二の一切経。この経典の料紙は京都で調達したことが確実視されており、見返しの絵も当時の一流の絵師によって描かれたと考えられる。藤原清衡が8年の歳月をかけて制作させた入念な一切経であり、かつては金色堂の手前にある経蔵に安置されていた。



 さらに会場では、金色堂と壇上の仏像をはじめとする堂内空間の8KCG画像データを活用し、幅約7m、高さ約4mの大型ディスプレイにより原寸大の金色堂を再現する。現地ではガラス越しに見ることしか叶わない、900年間祈りがささげられてきた金色堂の内部に入り込み体感できる、またとない機会となる。日本の美と信仰との結節点である中尊寺金色堂を、東京で感じることができる貴重な機会となりそうだ。



観覧料:一般 1,600円(1,400円)、大学生 900円(700円)、高校生 600円(500円)

※( )内は前売料金(2023年11月13日[月]から2024年1月22日[月]まで販売)

※中学生以下、障がい者および介護者1名は無料

※特別展観覧料で、当日にかぎり総合文化展も観覧可


【問い合わせ先】

TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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